【7月22日(日)放送】誇りは 海の中に〜岩手県 洋野町〜

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岩手県の最北、太平洋に面した洋野町。
「南部もぐり」と呼ばれる高度な技術を持つ潜水士を輩出してきた町として知られています。町では、ヘルメットを装備する伝統の潜水方式が、今も受け継がれていて、夏のこの時期、ウニやホヤを潜水でとる漁が最盛期を迎えます。「南部もぐり」の魂が今も息づく町を訪ねる旅です。

アクセス

<電車>
東北新幹線「八戸駅」→JR八戸線「種市駅」下車

<車>
八戸自動車道 八戸IC→国道45号線(40分)

旅の見どころ

10の漁港があり、500世帯あまりが漁業にたずさわっている洋野町。ウニやホヤ、アワビ、昆布など、豊かな海産物に恵まれています。7月は、ウニが旬を迎えます。海に豊富に生える昆布をエサにしたウニはこの町自慢の特産品で、この時期は港が最も活気づく季節です。「南部もぐり」の伝統息づくこの町では、漁師がウニを潜水で採っていきます。

洋野町で潜水が盛んになったのは、明治31年に起きた大型貨物船の座礁でした。船の引き揚げのため、ヨーロッパの潜水技術を持つ千葉の潜水士たちが町にやってきました。このとき、作業を手伝った地元の磯崎定吉が素質を見込まれ、技術を教えられました。わずか3か月で技術を身につけた定吉。多くの弟子を育て、その後「南部もぐり」と言われる潜水士たちが、世界中の海で船の引き揚げや、港の工事を請け負うようになりました。定吉の一族の子孫、磯崎元勝さんは、30年以上、ホヤ漁を続けています。

町内にある県立種市高校。潜水の確かな技術を、代々伝えていこうと、昭和27年に地元の人たちによって作られました。普通科に加え、潜水技術を学ぶ学科があります。潜水病や事故の危険があるからこそ、技術と心構えは正確に伝えたいという思いがこめられています。校内には、底が10メートルまで設計された潜水士の訓練専用のプールが設置され、生徒たちは毎週実習を行います。また、実際の海に潜り、作業の練習をする「海洋実習」も行われ、未来の潜水士が学んでいます。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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