2015年10月18日放送

再放送
  • 10月19日(月) 午前 11:05
  • 10月24日(土) 午前 5:15
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ようこそ 絵本の町へ
~北海道 剣淵町~

北海道北部の剣淵町は、小麦や大豆などの畑が広がる農業の町。町の中で目にするのは「絵本の里」という看板です。約30年ほど前、地元の若者たちが絵本を題材に町づくりを始め、今では“絵本の里”として知られるようになりました。町には、読み聞かせに聞き入る子どもたちや、飲み屋にお気に入りの絵本を持ち寄り語り合う大人たちの姿があふれます。絵本さながらの美しい町で、大地とともに生きる人たちに出会う旅です。

北海道の北部にある剣淵町です。明治時代に開拓されて以来、農業の町として栄えてきました。広大な平野に波打つ丘陵。どこまでも田畑が広がります。実りの秋を迎え、田畑が色づく9月。じゃがいもや小豆、米と、農家は収穫に大忙しです。まるで絵本を飛び出てきたかのような剣淵の美しい風景を生かし、町では、30年前から「絵本の里」作りに取り組んできました。

町の中心にあるのは、絵本専門の図書館「絵本の館」です。世界中から集められたおよそ3万5000冊の絵本が並びます。館内は、絵本を読む子どもたちでいつもあふれています。絵本の館を飛び出し、子どもたちに絵本を届ける「キャラバンカー」は保育所や小学校、イベント会場など、町中を走ります。ボランティアによる絵本の読み聞かせに、子どもたちは目を輝かせます。

剣淵が「絵本の里」になるまでには、当時の若者たちの努力がありました。当時は都市部への人口流出が進み、徐々に町の活気が失われていました。危機感を抱いていた農家や商店の跡取りたちが、「子どもたちが誇れる町になろう」と立ち上がったのです。絵本とは無縁だった男性たちが、自ら絵本を手に取り、子どもに読み聞かせをするようになりました。今でも仲間で集まると、読み聞かせの腕比べが始まります。その心は世代を超え、町の子どもたちに受け継がれていきます。

旅人 山田敦子から

札幌から列車で北へ2時間。たどり着いた初秋の剣淵は、空と大地がどこまでも広がる開拓の町でした。印象的だったのは子どもたちの人なつこさと礼儀正しさ。キャリーバッグを抱え駅の階段を上ってくる私のために、ドアをあけてくれた高校生。すれ違うと向こうからあいさつしてくれる中学生。畑でロケをしていると家の中から飛びはねてくる小学生。剣淵では絵本の読み聞かせが盛んです。小さな町に蔵書3万冊を超える絵本の図書館があり、子どもたちはたくさんの絵本に触れて育つのです。思いやり、愛、友情。絵本の描く世界、絵本の持つ力が影響しているのでは?と思わされる町でした。

剣淵町へのアクセス

<電車>
JR宗谷本線「旭川」駅→「剣淵」駅(約1時間)

<車>
旭川空港→道道37号線→道央自動車道「旭川北」IC→「和寒」IC→国道40号線(約1時間15分)

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問い合わせ先

剣淵町の観光について
剣淵町観光協会
0165-34-3848
剣淵町町づくり観光課
0165-34-2121
「絵本の館」について
剣淵町絵本の館
0165-34-2624

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