2015年8月23日放送

再放送
  • 8月24日(月) 午前 11:05
  • 8月29日(土) 午前 5:15
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“孤島”に しあわせ
~鹿児島県 悪石島~

“絶海の孤島”と呼ばれる島があります。九州と奄美諸島の間に浮かぶ悪石島(あくせきじま)。およそ60人が暮らすこの島は、海が荒れると数週間も船が来ず、生活物資が届かないこともあります。それでも、厳しい自然と向き合う島には、ここにしかない“豊かさ”があります。わずかな恵みに感謝をしながら魚をとる漁師、幼いわが子のため懸命に働く牛飼い、そしてゆったりと流れる時間の中で成長する少女。幸せ行き交う小さな島を旅します。

黒潮が流れる悪石島の近海は、好漁場として知られています。漁師の有川和則さんは、集まる魚を最もおいしい状態でとるため、島に伝わる伝統の漁法を用います。手作りの疑似餌で魚を誘い出し、長さ2メートルのモリで突くという漁法です。一瞬でしとめるため、魚を新鮮なままとることができるのです。とった魚はすぐにさばき、近所におすそ分けをします。島の人々は、海の恵みを分かち合いながら暮らしています。

悪石島では、30年ほど前から、和牛の繁殖が盛んに行われています。山が多い悪石島には広大な牧場はなく、牛は丘陵地でのびのびと放牧されています。母牛が起伏に富んだ丘を上り下りすることで、丈夫な子牛が生まれると言います。牧草地はなく、船で餌を取り寄せるのにも費用がかかるため、自然に生えている草を目いっぱいに食べて育ちます。

悪石島の小中学校には7人の子どもたちが通っています。しかし夏休み中は島を離れる生徒も多く、8月初旬、島で出会った子どもは中学生の有川雅さんと、5歳の妹・美優ちゃんの二人だけ。長い夏休み、二人は涼しい玄関先でシャボン玉をしたり、近所の方におやつをもらったり、夕日を眺めたりして過ごします。悪石島にしかない、ゆったりとした時間の中で、子どもたちは育ちます。

悪石島へのアクセス

<村営定期船「フェリーとしま」>
鹿児島市から:鹿児島港→悪石島港 約10時間
奄美大島から:名瀬港→悪石島港 約6時間

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問い合わせ先

悪石島について
十島村役場
099-222-2101

※NHKサイトを離れます