2015年8月2日放送

再放送
  • 8月3日(月) 午前 11:05
  • 8月8日(土) 午前 5:15
    ※一部地域は別番組
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海人(うみんちゅ)の心つないで
~沖縄県 久米島~

沖縄県久米島。琉球列島の中で最も美しい「球美(くみ)の島」と呼ばれてきました。島の周囲にはサンゴの海の熱帯魚から黒潮が育むマグロ類まで、さまざまな魚が暮らす海が広がります。島の人たちは素もぐりや一本釣りなどの技術を代々受け継ぎながら、漁業で暮らしを立ててきました。海人を目指して修行を続ける若者や、生活の面倒も見ながら、惜しみなくアドバイスを送る先輩漁師など、海とともに生きる人たちに出会う旅です。

久米島では若い漁師の姿をよく目にします。若者たちが最初に覚える漁が、「素もぐり漁」。この漁をする中で、潮の流れや海底の地形、魚の習性など、「海人(うみんちゅ)」として生きていくために必要な知識を学んでいきます。狙うのは沖縄の食卓でおなじみの「ブダイ」など色鮮やかな魚です。しとめるためには静かに近づく身のこなしが欠かせません。ベテラン海人の指導のもと、海人の技が次の世代へ受け継がれています。

久米島を支える漁業の一つが、マグロ漁です。黒潮が近くを流れるため、島のすぐ近くにマグロの漁場があります。釣ったばかりの新鮮なマグロをそのまま水揚げ出来るのが、久米島の海人たちの自慢です。マグロの漁場となっているのは、「パヤオ」と呼ばれる浮き漁礁のそば。かつてマグロなどの大型の魚がとれなかった久米島で、30年近く前、海人たちが団結してパヤオを設置したことで、マグロ漁への道がひらかれたといいます。

島に夏の訪れを告げるのが、「沖縄角力(ずもう)」の大会です。組み合って、相手の両肩を地面につけたら勝ちという伝統の角力、久米島は県内でもとりわけ盛んな地域として知られています。島の大会は全部で5場所。なかでも旧暦5月15日に開かれる初場所・真謝地区(まじゃ)での大会は、特別な熱気を帯びます。小学生から大人まで、全島から集まった力自慢たちの迫力の真剣勝負に、島は大いに盛り上がります。

旅人 山田敦子から

太陽の照りつける久米島。熱をはらんだ空気の中を泳ぐような気持で海へ向かうと・・・。橋で釣り糸を垂れていたのは小6の新城飛鳥君と友達の當間拓人君、宗形頼斗君。小さい魚は逃がし、残りは飛鳥君の家に持ち帰って自分たちでさばき、家族交えて一緒に食卓を囲みます。包丁さばきは堂に入ったもの。「釣りもさばくのも周りを見て自然に覚えた」んだそうです。家の子もよその子も隔てなく声をかけ、一緒に育てる大人たち。おおらかな島気質の中ですくすく育つ子どもたち。エメラルドの海に囲まれた島暮らしに、ひととき憧れました。

久米島・真泊(まどまり)港へのアクセス

飛行機で「那覇空港」→「久米島空港」(約25分)
久米島空港から車で県道89号線を東へ(約25分)

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問い合わせ先

素もぐり漁やパヤオ(浮き漁礁)、市場の競りについて
久米島漁業共同組合
098-985-8216
沖縄角力(ずもう)、そのほか観光地などについて
久米島観光協会
098-896-7010

※NHKサイトを離れます