2015年6月21日放送

再放送
  • 6月22日(月) 午前 11:05
  • 6月27日(土) 午前 5:15
    ※一部地域は別番組
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笑顔はこぶ 初がつお
~宮城県 気仙沼市~

生のカツオの水揚げ日本一を誇る港町、宮城県気仙沼市。6月、初がつおの季節を迎え、町は大いににぎわいます。造船会社やかつお節の加工など、カツオに関わる裾野は広く、町の人は心待ちにしています。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた気仙沼。かつて、カツオ漁師が集まっていた理容店は、港に近い同じ場所に再び店を構えました。それぞれの人たちが迎える5年目のカツオの季節。港町の人々の心に触れる旅です。

古くから、カツオ漁でにぎわってきた気仙沼。かつては多くのかつお節工場が軒を連ねていましたが、年々その数は減少しています。50年以上かつお節を作り続けてきた昆野文男さん(81歳)は、震災により工場を流されましたが、地元の人たちからの「もう一度、昆野さんのかつお節を食べたい」という声に奮い立ち、工場を再建しました。そこには、かつおの町・気仙沼伝統の味を絶やしたくないという強い思いがありました。

カツオ船が入港すると町全体が忙しくなります。水揚げを終えた船の上では、造船所で一番の若手・梶原初城さん(19歳)が修理に追われていました。中学3年生のときに震災を経験した梶原さん。海辺にあった自宅を流されましたが、被災した町や漁師を続ける父の姿をみて、漁業を支える造船所で働くことを決めました。震災後の町を盛り上げていきたいと、地元に残って懸命に働く日々です。

町の人たちも、カツオ船の入港を心待ちにしています。今年5月、初がつおの水揚げが始まるこの時期に合わせ、4年ぶりに港の近くで店を再開した人がいました。この場所で50年以上営業してきた理容店の店主・森川純一さん。震災後は高台の仮設店舗で営業していましたが、元の場所でもう一度、漁師たちを相手に仕事がしたいと戻ってきました。店内には久しぶりの再会を果たした、森川さんと漁師たちの笑い声が響きます。

旅人 山田敦子から

生カツオの水揚げ18年連続日本一を誇る気仙沼港。東日本大震災で甚大な被害を受けた時も「6月にはカツオ船が来る」を合言葉に一丸となって3か月余り立て直し、無事船を迎え入れました。「沖から船がやってくるのを見たときには本当に夢のようだった」と振り返る漁協職員の熊谷さん。震災直後の写真をみると、そこからの復興が奇跡のようだと思わされます。それだけに、地元の人たちにとって初がつおは特別なもの。今年も初がつおを満載した船が次々に入港してきます。本当においしいです。生も、じっくりいぶしたかつお節も。気仙沼の気概も誇りも一緒にかみ締めました。

気仙沼魚市場へのアクセス

<電車>
JR大船渡線「気仙沼駅」から車で10分、徒歩30分程度

<車>
東北自動車道「一ノ関IC」から国道284号線で 約75分

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問い合わせ先

気仙沼の観光について
気仙沼市役所観光課
0226-22-3438
気仙沼観光コンベンション協会
0226-22-4560

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