2015年4月12日放送

再放送
  • 4月13日(月) 午前 11:05
  • 4月18日(土) 午前 5:15
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ともに暮らす街で
~神戸市 北野界わい~

貿易の拠点として栄えてきた神戸市。外交官や貿易商など外国人が移り住んだのが北野地区です。人々から「異人さん」と呼ばれた彼らがかつて暮らした、50棟もの「異人館」が建ち並んでいます。北野は今もさまざまな国籍を持つ人たちが暮らす国際色豊かな街。真珠の加工を手がけるインド人の職人や、日本で最も歴史の古いスポーツクラブで汗を流す20か国以上の人たち。神戸の地で多様な文化を育む人々に出会う旅。

北野には、80年前に建てられた日本最古のイスラム教の寺院=モスクがあります。このモスクでは、古くから一般の方の見学を受け入れてきました。イスラム教への関心が高まる中、最近では見学者が増え、週末には100人以上の人が訪れます。見学者は、礼拝堂を見ることができ、質問したいことは何でも質問できます。少しでも自分たちのことを知ってもらうことが、共に暮らす上で欠かせないことだとモスクでは考えています。

北野に多いのが真珠加工の工房。真珠交易が盛んな神戸港に近かったため、100社ほどが集まりました。実は、その4割がインド人の経営。戦後の真珠ブームで移住してきました。工房が集まる、もうひとつの理由が、街の北側にある六甲山です。真珠の選別には、山に反射した、柔らかい日差しが最適なのです。インド出身のマニッシュ・サルカールさんの工房でも、山に面した北向きの部屋で作業を行います。真珠の街、北野ならではの光景です。

北野にほど近いグラウンドでサッカーを楽しむのは「神戸レガッタ&アスレチッククラブ」のメンバー。日本最古のスポーツクラブで、参加者の国籍は20カ国を超えます。最近増えているのが、日本人のメンバー。国境を超えた交流を行うメンバーの楽しみは、練習後に始まります。国際情勢から家族の話題など、クラブハウスでグラスを傾けながら、語り合うのです。メンバーが変わったいまも、クラブの伝統が受け継がれています。

旅人 山田敦子から

北野。異人館街があり今も多くの外国の人が住むところ、とは知っていましたが、こんなにも文化のるつぼとは。神社の脇を通りながら目を上げると、すぐそこに特徴的な十字架を戴いた正教会の教会。ここはモスク、あそこはジャイナ教寺院。1キロ四方程の地域に60を超える国々の人が暮らす街。サッカークラブでは、パキスタン、イタリア、イスラエル、イギリス、もちろん日本に、ケイマン諸島・・・国や文化は違えど、仲良く真剣に試合に興じます。認め合って共存する。開国以来長い年月の間に磨かれ、洗練されて今に至る良き伝統が香る街でした。

アクセス

<電車>
JR山陽新幹線「新神戸駅」→徒歩約15分
JR東海道線「新大阪駅」→「三ノ宮駅」→徒歩約15分
阪急神戸線・阪神電鉄「神戸三宮駅」→徒歩約15分

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問い合わせ先

北野の観光について
北野町観光案内所
078-251-8360

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