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望郷の鐘を心に ~宮崎県 延岡市~

投稿時間:2018年7月15日 08:24 | 投稿者: | 

nobeokamain.jpg宮崎県延岡市に響く鐘の音。毎日決まった時間に聞こえてくるこの鐘は、明治時代から延岡の町に時を告げてきました。目覚まし代わりに、昼食や帰宅の合図にと、市民の生活に欠かせない音です。故郷の音を守ろうと毎日鐘をつく鐘守、帰ってきた故郷で鐘の音を聞き幸せをかみしめる夫婦、鐘の音を聞くと大切な人との記憶がよみがえるという女性。140年変わらず響く鐘の音にのせて、この地に暮らす人々の営みや心の風景を訪ねます。


今回の放送内容

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明治の初めから140年間、延岡の町に時を告げ続けている「城山の鐘」。朝8時から夕方5時までの一日6回、鐘守と呼ばれる人が鐘をつきます。現在の鐘守は、8代目の日髙康彦さん・真理子さん夫婦。昨年10月、先代が引退したのを機に、市役所が募集した新たな鐘守に手を挙げました。延岡の人々の生活になくてはならない城山の鐘。今日も、一つき一つき気持ちを込めて鐘の音を響かせます。


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ベランダから城山公園が見えるマンションで暮らす後藤さん夫婦。高校卒業後、延岡を離れて過ごしていた二人にとって、城山の鐘は「望郷の鐘」だといいます。全国を飛び回り、定年まで忙しく働いていた夫の泰さん。そんな泰さんの支えとなったのは、東京で暮らす同級生で結成された「城山の鐘同窓会」でした。離れていても、心の中で鳴り響いていた鐘の音。今、延岡に帰ってきて聞く鐘は、穏やかな日々を感じさせてくれる大切なものです。


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鐘の鳴る町に、たくさんの家族写真を飾る写真館がありました。夫と共にこの店を営む尾﨑積さんは、夕方5時の鐘の音を聞くたびに、仕事を終えて帰ってくる亡き父の姿を思い出すといいます。店には尾崎さんの家族写真も飾られていました。普段は厳しい父でしたが、写真に写る笑顔を見ると、優しかった父を思い出すという尾崎さん。鐘の音も家族写真も、時を超えて在りし日の家族を結びつけてくれるものだと語ります。


旅人・山本哲也アナウンサーより

nobeokayamamoto.jpgひとつの鐘が、これほどまでに愛され、延岡の人たちをつないでいるとは驚きでした。その鐘の名がついた同窓会あり、鐘を毎日つくためにわざわざふるさとに帰ってきた夫婦あり、定年で都会から戻り、鐘の音を聞くために間近のマンションに暮らす夫婦あり、この鐘に父を思い、家族写真を撮り続ける写真館あり。城山の鐘の吸引力たるや大したものです。


城山公園へのアクセス

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〈電車〉
JR日豊線「宮崎」駅→「延岡」駅(約1時間15分)→徒歩約25分
または「延岡」駅→まちなか循環バス「九電前」下車→徒歩約1分
または「延岡」駅→路線バス「市役所前」下車→徒歩約5分

〈車〉
東九州自動車道「延岡」ICから車で10分(駐車場あり・ただし時間等により有料)


問い合わせ先

▼城山公園や城山の鐘について
延岡市役所 都市建設部 都市計画課  0982-22-7046


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