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水の都に春が来て ~長崎県 島原半島~

投稿時間:2018年4月 1日 08:24 | 投稿者: | 

simabaramain.jpg雲仙の山々を抱く長崎県島原半島。城下町のいたるところに張り巡らされているのは、湧き水が流れる水路です。水源の数はおよそ50にも上ります。民家の庭にある江戸時代からの水源を守りつづける「水の番人」の一家や、湧き水を使い名物のそうめんを作る職人。そして、平成3年の雲仙・普賢岳の噴火から復興し、おいしい野菜を作る農家とその家族。災害も乗り越え、水とともに生きる人たちに出会います。


今回の放送内容

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雲仙の山がもたらす湧き水。島原一帯では1日20万トン以上の水が湧くと言われています。町のあちこちにある湧水地には、一年中、地元の人々が湧き水を求めて集まります。いつでも誰かの話し声が聞こえるのが「浜の川湧水」。ここでは、4区画に分かれた水場を用途に応じて使い分けます。飲み水だけではなく、野菜やお米を洗って料理の下ごしらえ、衣類やふとんの洗濯まで、なんにでも使えます。湧き水を賢く使う、島原の人の知恵が息づいています。


simabara2.jpgのサムネイル画像南島原市では、古くより雲仙から吹きおろす風と豊富な伏流水を使って、盛んにそうめん作りが行われてきました。今でもおよそ300軒もの製麺所が軒を連ねています。髙橋徹さんが営む製麺所は、安政5年(1858年)創業。代々続く手延べの技術を今も守り継いでいます。気温が低く、そうめんが最もおいしくできるという冬。この時期にだけ生産しているのが、島原の湧き水を使ったそうめんです。強いコシとつるつるとしたのど越しが特徴で、毎年、常連のお客さんたちが楽しみにしています。


simabara3.jpg平成3年、雲仙・普賢岳の噴火活動で土石流や火砕流が発生し、島原一体に火山灰が降り注ぎました。農家の川田豊一さんも被害を受けた一人。1万坪あった農地は壊滅状態になりました。しかし、豊富な水があり、水はけもよいこの大地を諦めることはできなかったと言います。何度も土作りを繰り返し、10年後、ようやく元の規模まで復興させました。そんな父の背中を見て育った息子の豊久さんは、5年前に会社員を辞め、父と共に農業を始めました。「どんなときも笑顔で農業を続ける父の姿が目に焼き付いている」と話します。


旅人・山本哲也アナウンサーより

simabarayamamoto.jpgのサムネイル画像「ふわめき」ということばを始めて知りました。腰はしっかり、でも麺はふわふわ。島原の手作業で延ばしたそうめんの食感のこと。6代目高橋徹さん一家の作る麺に大いに納得。
今は黙して語らずの雲仙・普賢岳の姿に27年前を思い出さずにはいられませんでしたが、川田豊一さんの三世代一家に出会い、幸せな気持ちになりました。島原野菜の種類の豊富なこと、雲仙の恵みいっぱいです。孫の修士(しゅうと)くんのその名前、さすが島原サッカーどころです。大きくなれよ!


島原市へのアクセス

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〈電車〉
JR長崎線「長崎」→「諫早」駅で島原鉄道に乗り換え→「島原」駅(約2時間)

〈車〉
長崎自動車道「諫早」ICから国道251号線(約1時間半)


問い合わせ先

▼島原市の観光について
 島原市役所 産業部 しまばら観光おもてなし課 095-762-8019


▼南島原市の観光について
 南島原市役所 観光商工課 095-773-6632


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