小さな旅のしおり

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秋霞(あきがすみ)に包まれて ~栃木県 茂木町~

投稿時間:2017年12月10日 08:24 | 投稿者: | 

motegimain.jpg集落を囲むように那珂川が流れる、栃木県茂木町牧野(まぎの)地区。空気が冷え込む晩秋、幻想的な川霧に包み込まれます。土地の人々は、この川霧を生かした野菜作りや魚釣りなど、工夫をしながら暮らしを立ててきました。集落の中心には、住民が共同で経営するそば屋があります。川霧の恵みを受けた香りの強いそばが人気で、里ににぎわいが生まれています。柔らかな霧とともに、支え合いながら生きる人々を訪ねます。


今回の放送内容

motegi1.jpg霧が立ちこめる那珂川には多くの釣り人が集まります。糸井常夫さんもその1人。魚がかかる瞬間に魅せられて、小学生の頃から釣りを楽しんできました。特に、川霧を見ると、釣りがしたくてそわそわするのだと言います。霧が人影を隠してくれるため、魚に逃げられず、釣りやすいからです。晩秋は、那珂川をサケが産卵のために上ってきます。孫の手助けのもと、生きがいの釣りにいそしみます。(※釣りには特別な許可が必要です)


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11月、そばの収穫が最盛期を迎える牧野(まぎの)地区。その中心に、にぎわいを見せるそば屋があります。那珂川の川霧とともに育ったそばは香りがいいと、県外からもお客さんが訪れているのです。お店を営むのは、17人の住民たち。そばで町おこしをしようと、そば打ちの勉強から始めて、14年前にお店を開きました。家も近所で、毎日のように顔を合わせるそば屋のメンバーは、お互いに家族のような存在だといいます。


motegi3.jpgのサムネイル画像およそ100世帯が暮らす牧野地区。住民同士は顔見知りで、子どもたちのことも地域全体で見守っています。小学2年生の蓮田宙夢くんは散歩が大好き。畑で作業しているおじさんが手を振ってくれたり、縁側でおばあさんが猫を触らせてくれたりするからです。特に楽しみなのが、そば屋で働く“ミーバー”と田んぼの生き物を捕ること。ヤゴやドジョウをすくいながら、友達同士の2人ははしゃいでいました。


旅人・山本哲也アナウンサーより

motegiyamamoto.jpg川霧がおいしいそばを育む!にわかには信じがたい気もしていたのですが、確かにそのとおり。太くて腰の強い、そして何と言っても、すする鼻先に立ちあがる甘い香り。牧野そばは一味も二味も違うものでした。牧野で出会った子供たちは、家族や近所のおじさんおばさんに囲まれ、そして霧に包まれ、のびのびと育っているのが伝わってきました。どんな大人になるのか楽しみです。


栃木県茂木町牧野地区へのアクセス

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〈電車〉
JR水戸線「小山」駅→「下館」駅(約20分)→真岡鉄道に乗り換えて「茂木」駅(約1時間15分)→車で20分

〈車〉
北関東自動車道「真岡」ICから約45分


問い合わせ先

▼茂木町や牧野地区の観光全般について
 茂木町役場地域振興課観光係 0285-63-5644


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