小さな旅のしおり

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神々遊ぶ庭で ~北海道 大雪山国立公園~

投稿時間:2017年10月29日 08:24 | 投稿者: | 

daisetuzanmain.jpg2000メートル級の山々が連なる北海道・大雪山国立公園。キタキツネにエゾシマリス、ヒグマまで、野生生物が暮らすこの森は、アイヌ語で「カムイミンタラ」神々の遊ぶ庭とも称されます。夏が過ぎると、山頂から一斉に黄色や赤に染まり、日本一早い紅葉が訪れる登山者を楽しませます。野生生物の領域が広がる雄大な大雪山系。山への畏敬の念をいだきながらも、季節移ろう山の魅力を存分に楽しむ人々に出会います。


 今回の放送内容

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日本一早い紅葉を目指して、まず向かったのは沼巡りコース。大雪高原温泉登山口からつづく標高1400m付近に広がる森に、大小10以上の沼が点在します。雪どけから、秋の初めにかけて頻繁にヒグマが目撃されるこの場所。入山前、登山者は必ずヒグマ情報センターで野生のルールを学ばなくてはいけません。沼のほとりで出会ったのは、ヒグマ情報センターで20年以上勤める斉藤孝之さん。斉藤さんが教えてくれたのは、野生の音しか聞こえない朝の、とっておきの景色です。


daisetu2.jpgのサムネイル画像沼を後に、白雲岳山頂を目指し進むと、標高1500メートル付近に広がる花畑が見えてきました。夏の間白い花で花畑を彩るチングルマが、秋になると白い綿毛と、真っ赤な葉で登山者を楽しませます。花畑で草紅葉を記録していたのは、30年近く大雪山系に通う髙木直子さん。例年は標高差が高いところから順々に降りてくる紅葉が、今年は一斉に色づき驚いたといいます。髙木さんと共に、緑岳を登り、振り返ると、そこには紅葉の絶景が。


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白雲岳の手前にある白雲避難小屋。秋の終わり、人の少なくなった山小屋に、常連の登山者が集まってきます。幾度となく顔あわせてきた仲間たちと共に語り合う山での時間。一年間の山への感謝をかみしめながら、夜が更けていきます。
夜明けと共に、白雲岳の山頂へ。眼下に望むのは朝日に照らされて浮かび上がったカムイミンタラ「神々の遊ぶ庭」でした。


旅人・山本哲也アナウンサーより

daisetuyamamoto.jpg山肌に何本も走る赤い縦の帯、これが大雪レッドと呼ばれる大雪山系独特の紅葉です。地元の登山者によると30年ぶりの素晴らしさだとか。本州の紅葉とは一味も二味も違うこの絶景にただただびっくり。白雲岳の頂上に立てば大雪山系の広さに圧倒されっぱなし。正直、体にこたえる旅でしたが、疲れを超えた、感動の登山となりました。神様の庭にひきつけられる人たちの気持ちがわかります。


大雪高原温泉(白雲岳、沼巡りコースの登山口)へのアクセス

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〈電車とバス〉

JR「上川」駅 もしくは JR「旭川」駅→道北バス「層雲峡」(上川駅から約30分、旭川駅から約120分)→臨時バスで「大雪レイクサイト」(約15分)→臨時バスで「大雪高原温泉」(約30分)

※「層雲峡―大雪レイクサイト」「大雪レイクサイト-大雪高原温泉」間の臨時バスは紅葉シーズンのみ運行しています。詳しい情報は上川町役場にご確認ください。

〈車〉
・旭川空港から国道39号線経由(約2時間)
・層雲峡から国道273号線経由(約40分)

※紅葉のシーズンはマイカー規制があります。詳しい情報は上川町役場にご確認ください。


 問い合わせ先

▼大雪山国立公園について
 大雪山国立公園 層雲峡ビジターセンター 01658-9-4400

▼紅葉シーズンの臨時バスについて
 上川町役場 産業経済課 商工観光グループ 01658-2-4058

 


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