小さな旅のしおり

一覧

山の歌 秋 彩りの谷へ ~北アルプス 涸沢~

投稿時間:2016年11月20日 08:24 | 投稿者: | 

karasawamain.jpg

北アルプスの玄関口・上高地から歩くこと15キロ。3000メートルを超える穂高の峰々に包み込まれるように涸沢カールが広がります。秋の深まりとともに、紅葉に染め上げられる谷。360度の大パノラマを目当てに、1万人の登山者が訪れます。けがで登山をあきらめ、20年ぶりに、孫に背中を押されて涸沢にやってきた男性、登山者のために展望テラスを守る小屋の主人など、錦秋の北アルプスに魅せられた人たちに出会う旅です。


今回の放送内容

karasawa1.jpg涸沢への旅は、日本を代表する山岳観光地・上高地から始まります。上高地は標高1500m。そこから涸沢を擁する穂高連峰の山々が一望できます。なかでも訪れた人に幻想的な風景を見せてくれるのが、上高地の大正池。朝霧があたり一面にけぶったかと思えば、突然霧が晴れ、青空と穂高の稜線が姿を現してくれました。山の変わりやすい天候が、刻一刻と穂高の表情を変化させ、見る人をいつまでも飽きさせることない風景を作りだしています。この景色や北アルプスの自然に魅了され、上高地の自然を守る仕事に就いた女性と出会いました。


karasawa2.jpg上高地から涸沢までは徒歩で6時間。その長い道のりにも関わらず、紅葉の時期にはおよそ1万人が涸沢を訪れます。ここでおよそ20年ぶりに涸沢を目指す男性に出会いました。若い頃から北アルプス登山に通い詰めていたその男性は、13年前交通事故に遭って右膝に大けがを負い、登山をすっかり諦めていました。今回6歳の孫や息子たちに背中を押されて、かつて憧れた涸沢の彩りを一目見ようとやってきました。家族に支えられ再会した涸沢の紅葉は、どんなふうに心に刻まれたのでしょうか。


karasawa3.jpg涸沢には特別な時間帯があります。朝5時過ぎ、日の出からわずか15分ほどの間だけ、燃えるように赤い朝の光が穂高の山々を染め上げるのです。「モルゲンロート」と呼ばれるこの光景を見に、早朝から多くの登山客が日の出を待ちます。オレンジ色に染まる山肌と、澄んだ青空との目の覚めるようなコントラストは見る者の心をとらえて放しません。涸沢の山小屋を受け継いできた男性は、この美しい穂高の景色を多くの人々に見てもらいたいと、今日も小屋を守り続けています。


旅人・山田敦子アナウンサーより

karasawayamada.jpg

この秋の登山はお天気に泣かされた方も多いでしょうが、私達もその仲間。TVやスマホで何度天気を確認しても、雨、雨、雨。山との根競べが続きます。待ちに待った晴れの日は早朝から目いっぱい前進してまた待機。また雨、雨、雨。スタッフの中にはテントが浸水した人も、雨水が溜まり垂れ下がった天井にピタピタ頬を叩かれ、悪夢にうなされた人も。それだけに、ついに見えたモルゲンロートと青空に映える紅葉の美しさには言葉を失いました。この一瞬があるから、繰り返しその一瞬を求めて、皆山に来るんですね。


涸沢への登山口・上高地へのアクセス

karasawamap.png

〈電車〉
松本電鉄上高地線「松本」駅→「新島々(しんしましま)」駅→アルピコ交通バス「新島々~上高地線」終点で下車(約1時間半)

〈車〉
長野自動車道「松本」ICから国道158号で沢渡(さわんど)駐車場に駐車。そこから上高地シャトルバスにて終点まで(約30分)

〈直行バス〉
東京駅、新宿、渋谷、大宮、名古屋、大阪から上高地行きの直行バスが運行しています

※上高地へはマイカーで入る事が出来ません

※上高地には冬期閉鎖期間があります(11月中旬~4月中旬)
 涸沢ヒュッテも冬期休業しますのでご注意ください

※入山の際は必ず、登山届けを提出してください


問い合わせ先

▼上高地観光、涸沢への登山道について
上高地インフォメーションセンター 0263-95-2433
(冬期:11月中旬~4月中旬は 0263-94-2537)


前へ

次へ


月別から選ぶ