2019年03月10日 (日)

いてつく冬 待ちわびて ~茨城県 大子町~

daigomain.jpg福島県と栃木県との県境に位置する茨城県大子町。冬にはマイナス10℃まで冷え込み、関東有数の厳冬を迎えます。寒さを生かして江戸時代から作られてきた「凍(し)みこんにゃく」を受け継ぐ男性。「袋田の滝」にある茶屋で生まれ育った名物おかみ。厳しい寒さの中、協力しながら「楮(こうぞ)」の皮をはぎ、和紙の原料作りに励む地域の人々。厳冬の山里にもたらされる恵みを、大切に受けとって暮らす人々を訪ねる旅です。


今回の放送内容

daigo1.jpgこんにゃくを凍らせ、乾燥させて作る「凍(し)みこんにゃく」。茨城県北部でしか作られておらず、幻とも呼ばれる伝統の食材ですが、今では作り手もわずかになりました。栗田晋一さんは、26年前、一度は途絶えそうになったしみこんにゃく作りを受け継ぐことを決意。最後の職人だった菊池銀三郎さんに弟子入りし、失敗を繰り返しながら、その伝統をつないできました。しみこんにゃくには、ふるさとの宝を守ろうという思いが込められているのです。


daigo2.jpg冬の観光名所「袋田の滝」のそばにたたずむ一軒の茶屋。矢口ナオさんは、半世紀にわたり店を切り盛りしてきた名物おかみです。自慢の一品は、ゆずみその「おでん」。両親が店を創業した83年前から変わらぬ味で、滝を訪れるお客さんをもてなしています。3か月前、長年連れ添った夫が亡くなり、気落ちしていたナオさんを励ましてくれたのは、昔なじみの常連客でした。これからも袋田の滝に寄り添って店を頑張りたいと話すナオさんです。


daigo3.jpg古くから、和紙の原料となる「楮(こうぞ)」の栽培がさかんだった大子町。冬、収穫した楮を蒸して原料となる皮をはぐ作業が、最盛期を迎えます。昔は集落の人たちが協力しながらみんなで行ってきましたが、和紙産業の衰退とともに、集まる機会が少なくなっていきました。楮農家の齋藤邦彦さんは、再び地域の人たちに呼びかけ一緒に作業をしています。。昔懐かしい冬の集まりを楽しみに来る人も増え、地域の絆が取り戻されつつあります。


旅人・山本哲也アナウンサーより

daigoyamamoto.jpg圧巻、袋田の滝!白糸ではなく、岩肌そのものが流れ出してくるようで迫力満点。この滝に魅せられ、茶屋を出し続けてきた矢内ナオさんの作るゆずみそおでんは、甘酸っぱさがなんとも言えない懐かしい味。滝をも凍らす氷点下7度にもなる厳しい寒さの中で、全国でもここだけとなった凍みこんにゃく作り、美濃や越前の和紙の元となる、こうぞの加工と、大子町の持つ魅力、集うみなさんの温もりをじかに感じることができました。


大子町へのアクセス

daigomap.jpg

〈電車〉JR水郡線「水戸」駅→「袋田」駅(約1時間10分)

〈車〉常磐自動車道「那珂」IC→国道118号→大子町


問い合わせ先

▼大子町の観光について
 大子町観光協会 0295-72-0285

投稿時間:08:24


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