2019年01月27日 (日)

みんなの湯 いつまでも ~石川県 山中温泉~

yamanakamain.jpg石川県南部の山中温泉は1300年の歴史をもつ温泉地。「総湯」と呼ばれる公衆浴場には一番風呂を待ちわびる人々が夜明け前から集まり、語らいの場となっています。温泉の隣にあるのは芸妓の劇場。最盛期に200人いた芸妓は現在5人になりましたが、「山中節」を歌い継ぐ最古参の芸妓に出会いました。温泉地の名産は山中漆器。木を削って器を作る人間国宝の技が光ります。豊かに湧き出る湯とそこに集う人々の暮らしを訪ねます。


今回の放送内容

yamanaka1.jpg町の中心にある共同浴場「菊の湯」。風呂が開くのは朝6時45分ですが、その前から玄関前には人々が集まっていました。93歳の会長・谷口長四郎さんをはじめとする「朝湯の会」の皆さんです。「菊の湯」の自慢は、1mもある深い浴槽でしっかり肩まで湯につかれるところ、そして43度と熱めのお湯だといいます。浴室の壁には、1300年続く山中温泉の歴史を記した絵巻物「山中温泉縁起絵巻」から写された、老若男女が温泉を楽しむ様子が描かれています。昔も今も変わらぬ「みんなの湯」です。


yamanaka2.jpg菊の湯(女湯)の隣に建つ「山中座」では、毎週土日に山中芸妓によるお座敷唄と踊りが披露されます。なかでも必ず上演されるのが「山中節」。もともとは湯船で歌われた温泉民謡として生まれましたが、昭和の初め芸妓が歌いレコードになると全国に知られるようになりました。かつて200名ほどいた芸妓の数は今では5名と少なくなりましたが、最年長芸妓のぼたんさん(79)は「山中節」を次の世代へ残してもらおうと地元の中学生などに教えています。


yamanaka3.jpg湯治客の土産物にと作り始められた山中漆器は、木目の美しさが際立つ木製の器です。町には今でも、ろくろで木工品を作る木地師と言う職人が多く暮らしています。木地師として全国で初めて国の重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝に認定された川北良造さん(85)は、昭和40年代以降、木製漆器が産業の主流ではなくなってからも、常に新しい技に挑戦し世間をおどろかせる作品を作ってきました。


旅人・山田敦子アナウンサーより

yamanakayamada.jpgのサムネイル画像

広場に、立派な緑の瓦屋根。これが山中温泉の共同浴場「菊の湯・総湯」です。1300年の歴史があり、地元の人たちにこよなく愛されてきました。ひと時代前の人々は、お湯をすくって額に近づけ、ひと拝みしてから温泉に入ったそうです。豊富な湯をたたえた巨大な湯船はまるで温水プール。深さは昔からなんと1メートル(男湯)!町の誰に聞いても、温泉への感謝の気持ちがあふれるように出てきます。健康に、情報交換に、命の洗濯に。建物の外では朝市も開かれ、何百年にもわたって、人々を引き寄せ続けています。


石川県 加賀市 山中温泉へのアクセス

yamanakamap.jpg

〈電車・バス〉
JR「金沢」駅→JR北陸本線「加賀温泉」駅(特急25分)→加賀温泉バス「山中バスターミナル」下車(約30分)

〈車〉
北陸自動車道「加賀」ICから約30分


問い合わせ先

▼共同浴場「菊の湯」について
 加賀市役所 山中温泉支所振興課 0761-78-4186


▼山中漆器ついて
 山中漆器連合協同組合 0761-78-0305

投稿時間:08:24


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