2019年01月20日 (日)

静寂の里に光ほほえみ ~長野県 戸隠~(選)

togakusimain.jpg一面の雪景色。長野県北部の長野市戸隠地区は、特別豪雪地帯に指定されています。人々は厳しい雪の間、耐えながら生活を送ります。雪の下でもしなやかに自生する竹を使い、古くから生活に溶け込む品々を生み出す冬の手仕事・竹細工。2000年余りの歴史を持つという戸隠神社で、春の太陽を待つ祈り。冬のわずかな晴れ間から差しこむ光が照らしだす山々と、一面の銀世界の絶景。春を待ちながら生きる雪国の暮らしを訪ねます。


今回の放送内容

(2018年2月に放送した番組のアンコール放送です)

togakusi1.jpg戸隠の生活を支えてきた竹細工。冬の手仕事として江戸時代から始まりました。そばざるから、買い物、洗濯、山菜採りに使う籠など、地域の生活に根ざした品々が作られています。材料は、雪の多い地域に自生するチシマザサ。根元が曲がっているためネマガリダケとも呼ばれます。しなやかなネマガリダケで作る戸隠の竹細工は、何十年も使えるといわれています。竹細工の職人の井上栄一さんは、雪の中、辛抱強く耐えるネマガリダケに戸隠の人々の生き様を重ねると言います。


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創建2000年余りという戸隠神社は、天岩戸(あまのいわと)神話の神々を祭る神社です。5つある社のひとつ「奥社」には、岩戸を無双の力で開いた天手力男命(あめのたじからおのみこと)が祭られています。豪雪地帯の戸隠。山の中腹にある奥社は、3メートルの鳥居がほとんど見えないほどの雪に埋もれてしまいます。神社の神職や集落の人々は、奥社が潰れないように毎年雪かきを行い、春の光を待ちわびます。


togakusi4.jpgのサムネイル画像

立春が近づくと、戸隠にも日がさす時間が多くなります。この時期だけしか見られない、地域の人々が心躍らせる風景があると聞き、スノートレッキングに出かけました。たどり着いたのは鏡池。冬の間は水面が凍って雪が積もり、まるで開けた雪原のようです。「ここから見る戸隠が最高なんです」と、地元で喫茶店を営む髙橋博文さん。青空の下、柔らかい日の光に照らされた山々に、いち早く春の訪れを感じます。


旅人・山本哲也アナウンサーより

togayamamoto.jpg長野駅からバスで1時間、迎えてくれたのは樹齢400年を超えるという戸隠神社境内の杉の大木。雪玉を作れないほどのパウダースノー、ヨーロッパアルプスを眼前に臨むような戸隠の峰々。白に包まれた、冬でなければ見られない風景に心打たれました。「この戸隠の冬を経験しないと本当の春の喜びはわかりませんよ」の言葉どおり、冬の厳しさを春へのエネルギーに変え、耐えつつも楽しむことを忘れない、信仰の街の暮らしを垣間見ました。蕎麦どころならではの秘蔵の焼酎にも出会えました。


togamap.jpg

戸隠へのアクセス

〈電車〉
JR「長野」駅→アルピコ交通バス ループ橋経由戸隠線「戸隠中社」(約1時間)

〈車〉
上信越自動車道「長野」ICから国道18号線で長野市街地へ、浅川ループライン経由バードラインで戸隠


問い合わせ先

▼観光情報について
 戸隠観光協会 026-254-2888

投稿時間:08:24


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