2018年12月02日 (日)

開拓の希望 真っ赤に燃えて ~鳥取県 大山町~

daisenmain.jpg中国地方最高峰・大山の麓に広がる鳥取県大山町。ここには、終戦直後に香川県から満州を経てたどりついた開拓団が入植した集落があります。広大な土地を活(い)かした酪農で栄えた集落ですが、高齢化や後継者不足で酪農家は徐々に減少。「100年かけて理想のふるさとをつくる」と始まった村づくりは、転換のときを迎えようとしています。毎年11月に行われる入植を記念する式典を前に、開拓村で生きる人々の思いにふれる旅です。


今回の放送内容

daisen1.jpg大山町香取地区には酪農地帯が広がります。地域でとれた牛乳を加工した飲むヨーグルトの容器には、「開拓」の文字と1枚の古い写真が。香取は、昭和の始めに香川県から満州に渡った香川県の人たちが、終戦直後に集団入植して作った集落なのです。毎年11月には入植を記念する式典が行われます。そこで掲揚される「入植記念章旗」には、開拓への思いを重ね合わせた赤いモミジのワッペンが、毎年1枚ずつ縫い付けられてきました。


daisen2.jpg開拓1世が描いた「100年かけて新たな村をこの地に築く」という夢。しかし、酪農を中心とした村づくりは岐路に立たされています。かつて牛舎だった建物で作物の仕分けをしていた吉田さん夫妻。子どもの独立や高齢化によって、8年前に酪農を廃業しました。しかし、先代から引き継いだ土地を離れまいと、夫婦は香取で農業を始めました。土を耕し、畑を広げることは、2人が続ける「第二の開拓」です。


daisen3.jpg大山が色づいた11月。香取は72回目の「入植の日」を迎えました。普段は地域を離れて暮らしている人々も帰省し、盛大に行われた式典。開拓当時を知る1世から、地域の将来を担う3世や4世まで幅広い世代が集まり、ともに開拓の歴史に思いをはせました。毎年歌い継がれてきたのは、開拓当時の思いを記した「香取開拓の歌」。開拓100年の夢は、いまも地域に息づいています。


旅人・山本哲也アナウンサーより

daisenyamamoto.jpg「香取」は、ふるさと香川と鳥取から一文字ずつ取ったもの。一旦は満州に赴き、終戦後はふるさとに帰れず、未開の大山中腹に入植した人たちの思いはどんなものだったのか、厳しい大山の自然に向き合い、酪農に生き、闘ってきた香取の人たちの姿がおぼろげながら見えた気がします。鮮やかな紅葉のもとにひたむきな開拓精神があったんだと。いや今も受け継がれているんだと。農家の次男で、牛を飼っていた家に生まれた私には伝わってくるものがありました。開拓100年の夢を大切に!


大山町へのアクセス

daisenmap.jpg

〈電車〉
JR山陰本線「米子」駅→「大山口」駅(約20分)
(香取地区までのバスはありません。タクシーの利用をおすすめします)

〈車〉
米子自動車道「米子」IC→山陰道(無料区間)「赤碕中山」IC
(→香取地区へは約30分)


問い合わせ先

▼大山町について
 大山町役場 観光課 0859-53-3110

▼香取地区について
 JA香取開拓 0859-53-8804

投稿時間:08:24


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