2017年11月12日 (日)

白銀まばゆし 甍の波 ~新潟県 阿賀野市~

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五頭山麓に広がる新潟県阿賀野市。町を囲むように阿賀野川が流れるこの土地では、良質の粘土がとれます。古代の土器が数多く発掘されるなど、古くから焼き物の生産が盛んに行われてきました。特に作られてきたのが「安田瓦」と呼ばれる瓦。山からの強い風が吹き下ろすこの土地は、瓦を乾かすのにも適しているからです。180年以上の歴史を持つ瓦の生産に誇りを持つ人たちと出会います。


今回の放送内容

agano1.jpg新潟県阿賀野市の安田地区は、約200年続く瓦の産地。ここで作られる安田瓦の特徴は、雪下ろしのために上っても滑りにくい表面のざらつきと、雪や雨がしみ込み、凍って割れないように焼き込まれてできた強さです。雪国ならではの瓦は、この町の人々の暮らしを守ってきました。窯元で働く職人の青田貴之さんは、20代の頃から窯吹きをまかされています。強いだけでなく、色むらのない美しい瓦を焼き上げようと、日々炎と格闘を続けます。


agano2.jpg屋根の頂上に掲げる鬼瓦には、魔除けや厄除けを願った様々な形があります。鬼瓦を作る職人、“鬼師”の長場龍也さんは、購入する人の思いをひとつひとつ形にしようと、手作りで鬼瓦を作っています。「新築の家に、家と家族4人を守ってくれる強くて怖そうな鬼瓦を」という依頼主の男性。その思いに最大限に応えられるよう、試行錯誤を繰り返しながら阿吽(あうん)の鬼瓦を作り上げます。


agano3.jpg瓦を屋根に届けるのは、屋根ふき職人の仕事です。美しく並んだ瓦は、まるで屋根を泳ぐ銀色のうろこ。斉藤慶和さんは、この道25年のベテラン職人です。「瓦が無くなれば日本ではなくなる」と語る斉藤さん。次の世代を担う若手職人を自分の仕事場に呼び、経験を積ませています。雪国の暮らしを守り、願いを守ってきた安田瓦。瓦と共に、安田が育んできた心が受け継がれようとしています。


旅人・山本哲也アナウンサーより

yamamotoagano.jpgのサムネイル画像土で漬物ができるとは。いやあ、ほんとに驚きました。瓦用の粘土でナスを漬け込む、「泥漬け」。ナスの色が良く出て、味が浸み込むおいしいものでした。雪国越後だけに頑丈で銀色に輝く安田瓦。「瓦は風雪、雨から家を守るだけでなく、その家をつないでいくもの。だから瓦職人の技も次代へつなぎたい」。瓦葺き職人、齋藤慶和さんの熱い思いが伝わってきました。越後を守る、頼りになる瓦です。


新潟県 阿賀野市 安田地区へのアクセス

aganomap.jpg〈電車〉

JR信越本線「新潟」駅→「新津」駅でJR羽越本線乗り換え→「水原」駅下車(約40分)→タクシー等で約20分

〈車〉
磐越自動車道「安田」ICより車で約10分


 問い合わせ先

▼安田瓦について
 安田瓦共同組合 025-68-2112

投稿時間:08:24


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