2017年07月23日 (日)

山の歌 夏 命躍る峰々 ~蔵王山~

zaomain.jpg宮城と山形の県境に連なる蔵王連峰。標高1500~1800mのなだらかな稜線が広がります。麓から山頂にむけ進む雪どけ。ひと息遅れて、新緑の芽吹きが進みます。青葉もゆる森に、長い冬を越えた命の喜びがあふれます。山頂にあるのは、蔵王のシンボル「御釜」。日に日に強くなる太陽の光をうけ、火口湖はエメラルドグリーンの輝きを放ちます。彩り豊かな山の表情に魅せられた人々と命躍る6月の蔵王を旅します。


今回の放送内容

zao1.jpg6月、麓の山肌は、黄緑や薄緑など様々な色の新緑に染まります。長く厳しい冬に閉ざされるこの地。雪解けとともに芽吹く若葉は、短くも心湧く夏の始まりの合図です。登山口に建つ温泉宿の6代目主人・竹内宏之さんにとっても、この時期は特別だといいます。3歳の息子にも、山の季節や山での暮らしを感じてほしい。この夏、初めて息子を山へ連れて行くことにしました。生命の輝きあふれる、新緑の森を目指します。


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蔵王のシンボル「御釜(おかま)」。火口に水をたたえたその湖面は、時に鮮やかなエメラルドグリーン、時に深い緑色と、見るごとに表情を変えます。その魅力を語って下さったのは、麓の白石市で生まれた遠藤繁さん。中学生の頃以来、45年間蔵王に通い続け、四季折々の姿をスケッチしてきました。そんな遠藤さんにとって特別な場所が、大学時代に所属していた山岳部の山小屋。山岳部の現役学生やOBの仲間たちと小屋で過ごす時間は、安らぎのひとときです。


zao3.jpgのサムネイル画像

御釜の南に広がるのは、「花の山」として知られる南蔵王。初夏、稜線をシラネアオイやイワカガミ(写真)など鮮やかな高山植物が彩ります。尾根上の湿原「芝草平」には、一面に咲き乱れるチングルマも。仙台市から毎週のように蔵王に通うという福井美津江さんは、そうした花々に魅かれる一人。6年前、東日本大震災で被災し不安な日々を送っていたとき、訪れた蔵王に咲くけなげな花の姿に力をもらったといいます。命躍る、初夏の蔵王が人々を優しく包みます。


旅人・山本哲也アナウンサーより

zaoyamamoto.jpg初めての蔵王、今回は熊野岳、刈田(かった)岳、前山、杉ヶ峰、芝草平と、1800メートル前後の峰々を縦走しました。途中、御釜の緑色の大きな瞳は、なだらかな峰々の中の大きなアクセントです。雪あり、花ありと変化に富む蔵王に出会えました。でも、何といっても心動かされたのは、蔵王への深い思いを抱いて登り続ける人たちです。40年以上通い続ける遠藤さんは、「蔵王は雄大で優しい父のような存在」としみじみ語ってくれました。黙して語らない蔵王に惹かれる人たちの気持ちが、少しだけわかったような気がした旅でした。


御釜へのアクセス

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〈バス〉
山形側:山形駅、かみのやま温泉駅
宮城側:仙台駅、白石蔵王駅
から、それぞれ御釜付近の刈田駐車場までバスが運行
※宮城側は両駅ともに土日祝のみ運行

〈車〉
東北自動車道「村田」IC もしくは「白石」ICから約1時間
山形自動車道「山形蔵王」ICから約1時間
※例年11月上旬~4月下旬は、蔵王エコーラインが冬期通行止になります


問い合わせ先

▼蔵王山の観光について
宮城県蔵王町観光案内所 0224-34-2725

投稿時間:08:24


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