地下の街 袖すり合って ~新潟市 古町~
新潟市の中心街・古町の地下に41年前から続く地下街「西堀ローサ」があります。330mの通路に33店舗が軒を連ねるこの場所は、駅や地下鉄に通じていない全国でも珍しい地下街です。一風変わったドレス店に、時代を感じる中古レコード店、封筒の宛名書きや短歌の代筆などを手がける代筆専門店。さまざまな店に思い思いの楽しみがあふれます。ぬくもりあふれる地下街に居場所を見つけた人々と出会います。
今回の放送内容
歌謡曲やジャズ、ロックなど、様々なジャンルのレコードが並ぶ店内。中古レコードのお店です。20万枚にものぼるという膨大な在庫は新潟県内随一。県外からも多くの人が訪れます。お宝となる一枚を探して、何時間も過ごす人もいるのだとか。
41年前に開業し、当時は流行の最先端だったこの地下街。バブル崩壊以降、一時はシャッター街のようになった時期もありました。しかし現在は、このレコード店のような個性溢れたお店が集まっています。
地下街の一番奥にある、ひときわにぎやかな場所。出演するのも無料、見るのも無料のステージスペースです。歌手や芸人の卵など、夢を追う若者たちが集います。毎日様々なイベントが行われ、お年寄りの憩いの場にもなっています。ここに毎日訪れるという宮田利雄さんは、昔、自らもこの場所でジャズなどを演奏していました。今は、ここに出演する若者たちを応援することを、なによりも楽しみにしています。夢を追う人と、それを応援する人たちが集うスペースです。
こちらはちょっとめずらしい、代筆専門店。金封や命名軸、詩歌の清書など、望み通りに文字を書いてくれます。ご祝儀袋などのおめでたい文字は堂々とした筆づかいで、お悔やみの封筒には優しい言葉を書き添えて。店主の田中美笑さんは、お客一人一人の想いに寄り添って、文字や言葉を書き分けています。美しい字を求めてこの店にやってくる人が絶えません。
旅人・山田敦子アナウンサーより
筆耕士さんが代わりに文字を書いてくれる「代筆屋」さん。こんなに繊細なものとは知りませんでした。店主の田中さんはお客さんそれぞれの事情や心持に寄り添い、一番ふさわしい文字を書きます。大きさも、力の入れ方も、書体も変えて。目が離せなかったのは、亡き母を詠んだお客さんの短歌を色紙に書いた時の「母」の文字。まあるく、ふっくらと優しい字体の「母」は、見ていると泣けてくるような、追慕の思いのこもった文字でした。
こんなお店や、お宝の眠る古レコード屋がひっそり佇んでいる地下街「西堀ローサ」。どの鉄道網にも通じていないけれど、ここに心を寄せる人たちが行き交います。
西堀ローサへのアクセス
〈電車とバス〉
JR「新潟」駅→新潟交通バス「古町」停留所下車(約15分)
問い合わせ先
▼西堀ローサについて
新潟地下開発株式会社 025-224-2285
投稿時間:08:24