2016年10月23日 (日)

誇りの酒 醸す街 ~広島県 東広島市 西条~

saijomain.jpg広島県東広島市の西条は、灘や伏見と並ぶ国内有数の酒どころです。10月、新酒の仕込みが始まった街には、活気があふれます。毎年この時期に開かれる「酒まつり」は、20万を超える人が訪れる秋の風物詩です。自慢の酒でもてなす酒蔵の杜氏に、酒粕を餌に養豚に挑む女性。地元の小学生たちは、30年以上続く、酒造りの喜びを表現するオペラを演じて祭りを盛り上げます。酒造りに誇りを抱く人々と出会う旅です。


今回の放送内容

saijo1.jpg宮地充宣さんは、西条の酒蔵で10年以上にわたって杜氏を務めています。ほかの酒蔵より少し早い10月初めから本格的に新酒の仕込みを始めます。早いときには朝4時から作業が始まり、睡眠時間も削られてしまいますが、「酒造りは子育てと同じ。しっかりと見てあげたい」と笑顔を見せてくれました。もとはサラリーマン。西条ならでの甘くなめらかな味の日本酒を受け継いでいこうと、日々酒造りに全力を尽くしています。


saijo2.jpg西条農業高校の畜産科では、酒かすの餌で豚を育てています。いま、与えているのは宮地さんの酒蔵から譲り受けた酒かすです。教師の石井朝子先生は、酒の街・西条ならではの豚肉にしたいと、酒かすを餌にすることを考えました。豚がすくすく育ち、生徒たちも大喜び。豚が好んで食べるだけでなく、うまみ成分であるアミノ酸も増えるといいます。研究用のため、出荷は半年に一回ですが、地元の人たちは楽しみにしています。


saijo3.jpg地元・西条小学校の6年生に35年間受け継がれる伝統があります。街の祭りで披露する、酒造りがテーマの手作りオペラ「白壁の街」。学年全員で杜氏や蔵人を演じ、力を合わせておいしい酒を生み出す姿を表現します。今年、杜氏を演じたのが髙宮凜さんです。本番は1000人の観客が見守る「酒まつり」の舞台。杜氏の宮地さんから学んだ「赤ちゃんを抱くような気持ち」を胸に、優しく“こうじ”を育てる姿を表現しました。


旅人・山本哲也アナウンサーより

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「やっぱり子どもはすごいねえ。」酒どころ西条を訪ねての率直な感想です。ふるさと自慢の酒造りを、オペラという形で毎年秋に地元の人に披露する。西条小学校ではもう35年も前から続く一大イベント。指導する先生も、舞台に立つ生徒も稽古に必死。先生から飛ぶ厳しい言葉、それに大きくうなづく豆杜氏。お酒は飲めなくとも、酒造りに挑む杜氏や蔵人の気持ちをつかもうと懸命に挑む。子どもたちも酒造りに真摯に向き合う大人の姿をしっかり見ているんですねえ。ふるさとをつないでいくってこういうことなんだ。西条の甘くまろやかなお酒の味はもちろん、格別な後味をくれた出会い旅でした。


東広島市西条へのアクセス

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〈電車〉 
山陽新幹線「東広島」駅からタクシーで約10分
または、JR山陽本線「広島駅」→「西条」駅(約35分)

〈車〉
山陽自動車道「西条」ICを下りて約5分

〈飛行機〉
広島空港からバスやタクシーで約20分


問い合わせ先

▼東広島市全域の観光情報について
公益社団法人 東広島市観光協会 082-420-0310

▼西条の酒蔵周辺の観光について 
西条酒蔵通り観光案内所 082-421-2511

投稿時間:08:24


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