2016年05月01日 (日)

水湧き 育む ~東京 調布市~

chofu-main.jpg東京のベッドタウン・調布市。緑豊かなこの街には27の湧き水があり、今もその恵みを受けています。東京で二番目に古い名刹・深大寺は「水の寺」とも呼ばれ、境内には4か所の湧き水があり、この水を使った仏事も行われます。調布には東京では珍しい農業高校の農場があり、湧き水を生かしたワサビの栽培やニジマスの養殖が行われ、豊かな自然を生かした部活動も行われています。湧き水の恵みとともに暮らす人たちに出会う旅です。


今回の放送内容

chofu1.jpg新緑に包まれた深大寺の参道に軒を連ねているのは、名物「深大寺そば」の店々。道端を流れる水をたどって行くと、そば店の入り口の壁からいきおいよく湧き水が吹き出ていました。1年前、急に湧き出したというこの水。道への打ち水や植木の水やりなどに使っています。深大寺は古くから、湧き水が豊富で「水の寺」とも呼ばれてきました。境内の奧にある小さな泉は、1300年の間、涸れることなくこの地域の田畑を潤し続けてきました。いまも毎月欠かさず、水の神への供養が行われています。


chofu2.jpg住宅地の一角にある2.5ヘクタールの広大な森は、都立農業高校の実習のための農場です。湧き水にわさび田、カタクリの群生地など、都内では見ることのできない自然があふれます。この里山を舞台に活動しているのが、「神代農場部」。12人の部員が、田畑の手入れや水質調査、山菜とりなど、農場の自然を満喫しています。調布市内から通う3年生の小林ひなたさんは、入学直後に訪れた農場で、生まれて初めて見た湧き水やカタクリの花に心奪われたといいます。緑の学舎で、ふるさとの自然への思いを育んでいます。


chofu3.jpg調布市内で湧き出た水は住宅地の間を流れ、野川へ注ぎます。4月、川沿いは200本の桜並木が見頃を迎え、多くの人が花見に訪れます。この桜を誰よりも楽しみにしているのは、「野川の花咲かじいさん」として知られる三ツ木平八さんです。三ツ木さんが川沿いの住民とともに野川の堤に桜を植えたのは47年前。宅地開発に伴う河川改修で人が寄りつかなくなった川に、賑わいを取り戻そうと考えたのです。桜を植えたのが三ツ木さんだと知った住民たちから花見に招かれることが、三ツ木さんの何よりの楽しみです。


旅人・山本哲也アナウンサーより

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新宿副都心から電車でわずか15分の東京調布市深大寺には、湧き水に育まれた暮らしがありました。湧き水の流れ出る武蔵野の森にある農業高校の農場では、目の前の豊かな自然に高校生たちが目を輝かせて夢を語ってくれました。湧き水は一筋に集まって野川になります。川沿いでは“花咲かじいさん”に出会いました。200本の桜が満開になるまでに地道な取り組みがありました。こんなところにこんな営みが・・・。ぜひお出かけになってみてください。


調布市へのアクセス

chofu-map.png

〈電車〉
京王線「新宿」駅→「調布」駅下車

〈車〉
中央自動車道「調布」IC


問い合わせ先

▼調布市の観光について
調布市観光協会 042-481-7183

▼深大寺の観光について
深大寺 042-486-5511

▼調布市内の湧き水について
調布市役所 環境部環境政策課 042-481-7086

 

 

 

投稿時間:08:24


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