2016年05月08日 (日)

路地 心つないで ~東京 月島界わい~

tsukisima1.jpg再開発が進み、高層マンションが立ち並ぶ東京・月島界わい。今ではもんじゃ焼きの街として全国的に知られていますが、裏通りに入ると、昔ながらのたたずまいの街並みを見ることが出来ます。伝統の技を受け継ぐ鍛冶職人は、こだわりの道具作りに精を出し、長屋が連なる路地では、古くからの住人と新たに移り住んだ若者たちとの、気の置けない付き合いが続きます。変わりゆく街に、変わらぬ人のぬくもりを訪ねる旅です。


今回の放送内容

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月島名物のもんじゃ焼き。街の中心部にある商店街を中心に、80店以上が軒を連ねます。明治の中頃、東京湾を埋め立てて作られた月島の一帯には、造船所や工場が建設され、全国から移り住んだ労働者などで賑わいました。しかし、高度経済成長の終わりとともに次々と工場が閉鎖。商店街も客足が遠のく中、商店街の人々が注目したのが、もんじゃ焼きでした。店は次々ともんじゃ焼き店に商売を替え、賑わいを取り戻しました。


tsukisima3.jpg月島の脇を流れる隅田川。ここに、街の歴史を今に伝える勝鬨橋があります。月島界わいと対岸の築地とを結ぶこの橋は、昭和15年、当時の最新技術で作られた跳ね橋です。工事には、地元の労働者や職人たちも大勢かかわりました。船の往来が減り、車の交通量が増えたことで、橋は昭和45年を最後に開かなくなりました。両手で「バンザイ」をするように開いた勝鬨橋の姿は、今でも地元の人々の心に残る風景だと言います。


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開発が進む湾岸地域。しかし、月島には人がひとり通れるほどの路地が残っています。
路地に並ぶのは、昔ながらの長屋。かつて、工場で働く人々やその家族が全国から移り住みました。最近では、長屋の雰囲気に惹かれて、移り住んできた若者もいます。慣れない暮らしを支えているのが、気さくに声をかけてくれる近所の人たち。料理のおすそわけなどを通じて、お互いが肩を寄せて助け合いながら暮らしています。


旅人・山田敦子アナウンサーより

tsukisima-yamada.jpg月島の、もんじゃ焼きで賑わうメインストリートを一本奥に入ると、そこは昭和の世界。細い路地の両側には戦前からの長屋が並び、並んだ鉢植えに水をやり、お隣さんとおしゃべりに興じる女性たちの姿がありました。ちょっとだけ見せていただいた長屋のお住まいは、ドアをあけるとすぐそこに居間があり、ひとりでも寂しくなさそう。「いいな、ここ」と2階手すりの洗濯物を見上げると、視線の彼方にそびえるのは超高層で超現代的なマンション。正反対のものが対立しているような、調和しているような、不思議な魅力ある眺めでした。


月島へのアクセスtsukisima-map.png

東京メトロ有楽町線または都営大江戸線「月島」駅下車


問い合わせ先

▼もんじゃ焼き店について
 月島もんじゃ振興会協同組合
 03-3532-1990(12:00~20:00)

 

投稿時間:08:24


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