BS1 ワールドウオッチング - WORLD WATCHING -

2018年4月2日(月)

世界を変えるミレニアル世代

塩﨑
「日本では今日(2日)、多くの新社会人がデビューすることになります。
そこでけさの特集・ワールドEYES(アイズ)は、これからの『働き方』について、若い世代の視点を通して考えてみたいと思います。」

藤田
「日本では、現代の若者を『ゆとり世代』『さとり世代』などと呼ぶことがありますが、世界的には欧米を中心に『ミレニアル世代』と呼び、その動向が注目されています。
『ミレニアル世代』とは、20世紀中に生まれ、21世紀に成人を迎えた世代を指しています。
世界の労働人口に占めるこの世代の割合は、2020年には全体の30%以上、そして2025年にはおよそ75%にもなると予測されています。」

塩﨑
「インターネットが当たり前の時代に育ち、『デジタルネイティブ』とも呼ばれるこの世代は社会や仕事に何を求めているのでしょうか。
まずは、働くことをめぐり悩みを抱える若者たちの現状について、オーストラリアABCのリポートです。」

ミレニアル世代 仕事への戸惑い

早朝に集まったエネルギーあふれるミレニアル世代の集団。
楽しく体調を整える、その名も「すごいプロジェクト」です。

ヘンリー・ブランチャードさん
「とにかく大騒ぎ。
元気に走って、ハイタッチ。
古くさくなくて、愛にあふれています。
楽しいです。」

ブランチャードさんは、大企業の会計士を辞め、このグループに参加しました。

ヘンリー・ブランチャードさん
「過去は関係ないです。」

以前は、終わりのない競争でした。

ヘンリー・ブランチャードさん
「周りを見回すと、みんな自分よりずっと年上で、疲れてやる気をなくし、惨めな感じに見えました。
自分も年を取ったら同じようになるなんて考えられなかったし、なりたくなかったんです。」

「大学卒業後、就いた仕事は旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷の弁護士です。
夢の仕事だと思いました。」

しかし、彼女は幸せではなく、それを人に言えませんでした。

ケイト・ドッジソンさん
「みんなに、弁護士は大変でも、高給取りで生活も安定してるよねと思われていると思っていました。
意識が高いと。」

彼女は仕事を辞め、多くのミレニアル世代のように長期休暇へ。
この世代は、人にどう思われているか知っています。

ケイト・ドッジソンさん
「意識が高い。」

ヘンリー・ブランチャードさん
「ナルシスト。」

ケイト・ドッジソンさん
「自己陶酔型。」

ヘンリー・ブランチャードさん
「空っぽ。」

ケイト・ドッジソンさん
「気まぐれ。」

ヘンリー・ブランチャードさん
「薄っぺら。」

ケイト・ドッジソンさん
「高望み。」

ヘンリー・ブランチャードさん
「自己中心的。」

彼らは、20代後半から30代の人たちです。
でも、そんな区分で簡単に特定されたくないと考えています。
ある種、危機ともいえる状況を抱えているのです。

ケイト・ドッジソンさん
「ミレニアル世代は、期待を持って育ちましたが現実に打ちのめされました。
でもその現実は、私たちの作ったものではありません。」

「希望はそこにはなかった?」

ケイト・ドッジソンさん
「希望は消えちゃいました。」

ミレニアル世代を対象に行われた調査では、72%が「人生への戸惑いに苦しんでいる」と答えました。
57%が情熱を傾けられる仕事を求め、同じ割合の人が、住宅購入へ重圧を感じています。
この世代は多くの選択肢、先進技術、豊かさに囲まれて育ちました。
世界で初めての現象です。

ヘンリー・ブランチャードさん
「私たちは、自分のチョイスを信じています。
そして、それを追及することを自分に許す、最初の世代だと思います。」

ドッジソンさんは、それを本に書きました。

ケイト・ドッジソンさん
「戸惑い世代の専門家なんて、成るべきじゃないです。
ただ、私は5年間悲惨でしたから、それがよく分かっているんです。」

ブランチャードさんは、ウガンダ支援のチャリティーマラソンを始めました。
今後、あと2、3、仕事をしてみるつもりでいます。
ドッジソンさんは、大企業向けにミレニアル世代の理解を深めるセミナーを行いながら、今も自分の進むべき道を模索しています。

ミレニアル世代の価値観とは

塩﨑
「今のリポートを見ると、ミレニアル世代は、たとえ人がうらやむ仕事に就いたとしても、自分で納得できない場合、辞めてしまうというところがあるようですね。」

藤田
「そうですね。
人の評価ではなく、常に自分にあった仕事を模索しているという印象ですが、それを表すデータもあります。

こちら、世界の80の国と地域で総合人材サービスを提供している『マンパワーグループ』が2016年に行った調査によりますと、世界のミレニアル世代の5人中4人、およそ8割が、転職する際は『新たなスキルを学習する機会』がいちばん重要な要因になると回答しています。
常に別の仕事の可能性を広げるために、『スキル開発』の必要性を感じていて、ひとつひとつの仕事を最終目的地ではなく、自分を高めるための足場とみなしているという姿勢が見受けられます。」

塩﨑
「こうしたミレニアル世代の価値観は、一体どういう考えに基づくものなのか。
自らもミレニアル世代で、経営者として多くの若い社員を率い、国内外の若者とも接している仲暁子(なか・あきこ)さんにお話を伺いました。」

仕事への失望 共感する部分は?

求人などのビジネス情報を提供するSNSサイトを開発した仲暁子さん。
自身も80年代生まれのミレニアル世代の1人として、仕事に失望した経験を持つ若者に共感するところがあるといいます。

ウォンテッドリーCEO 仲暁子さん
「いちばん大事なのは、お金を稼ぐことではなくって、1回きりの命をどう使うかというか。
時間のほうが有限なので大事なんですよね。
なので、そこの自分の1回の命をどう使って、時間を使っていくのかっていうところが、あまり腹落ちしないような仕事を疑問を持ちながら続けていても、そんなにハッピーではないので、それだったら違うことをやってみようと思って、すぐに飛び出してみるみたいな、そういうことが私自身あったので。
そこの部分で共感しますね。」

共感を通じて 人と企業をつなげる

大学卒業後、仲さんは外資系の大手金融グループに就職しましたが、2年弱で退職。
人生を賭けてやりたい仕事は何か、自問自答したといいます。
その後、起業し「ビジネスSNS」と呼ばれるサービスを開始。
自ら大切にする「やりがい」や「ビジョン」への“共感”を通じて、人と企業をつなげるビジネスを展開しています。

仲暁子さん
「世間体とかだけを気にするのではなくて、本当に自分が仕事で心躍るプロジェクトだったりとか、会社を見つけてジョインしていく。
優秀な人たちの雇用の流動性を高めるみたいなところを、課題意識をもって取り組んでいます。」

塩﨑
「仲さんから見て、ミレニアル世代の主な特徴ってどういう所でしょうか?」

仲暁子さん
「1つは物に執着がないので、所有よりもアクセスっていうところですよね。

例えば、『エアビーアンドビー』とか『ウーバー』だったりとか、別に車を持っていなかったりとか、ホテルとか家を持っていなくても人と共有して、それを使えれば別に物理的に満たされていなくてもいいっていう面であったり、それが1点目。
2つ目が、お金だけではなくて何のためにやるのかといった意義をすごく、消費であったりとか、あとは労働に求めるところですね。」

ミレニアル世代 働き方の傾向は?

世界の労働力の中心を担いつつあるミレニアル世代。
その働き方には、特有の傾向があると仲さんは考えます。

仲暁子さん
「今の世代は、ミレニアル世代はどちらかというと、『何のためにこの会社は社会貢献をしているのか』みたいなところを気にするので、そこをすっ飛ばして、『とにかくやるんだ』『決まってるからやるんだ』みたいなのは、けっこう通用しなくなってきてますし。
でっち奉公で3年、5年がまんしてみたいなのも、今はなかなか通用しなくなってくるんじゃないかなって。
っていう意味で、優秀な方々から大企業は辞めていったりする傾向が強いのかなと思いますね。
その楽しければOKみたいなものではないと思うんですけども。
大前提として、自分が信じる価値観とか意義に沿っているかどうかっていうのは、あるのかなと思いますね。
なので『自分のポリシーに合わないけどやる』『けどお金がもらえるからやる』みたいなことがどんどん薄くなっていくんじゃないかなというふうに思っています。」

塩崎
「今後、社会、または会社はどう対応することを求められていると思いますか?」

仲暁子さん
「よく、当たり前といえば当たり前なんですけど。
くどいぐらいに『何のためにやっているのか』っていうのを繰り返し問う、伝えるっていうことかなって思いますね。
どの企業もミッションっていうものは持っているし、どういうふうに社会に貢献していくかっていうものは、もう言葉に持っていると思うんですけど。
あるだけだと絵に書いたもちなので、例えば目の前の仕事が『コピーを取る』っていう散々な仕事だったとしても、それがどうミッションと結びついているのかみたいなことを、毎日じゃなかったとしても定期的に伝えてあげたりとかして、その社会貢献との自分の仕事の接点みたいなのを言語化してあげるっていうことだと思いますね。
くどいぐらいに言ってあげないと、意外と言っている方は『伝わってる』と思っていても、言われている側には7%しか伝わってないみたいな研究結果もあるぐらいなんですよね。
なので、くどいぐらいに何回もリマインドすることなどが、すごく大事になってくるんじゃないかと思います。」

新社会人 何でも経験を

今月(4月)、日本で誕生する多くの新社会人。
仲さんは、自分の価値観にあった仕事を見つけるためにも、まずは何でも経験することが大切だといいます。

仲暁子さん
「私が社会人になったころを振り返って、すごく良かったアドバイスが、『一旦染まった方がいいよ』っていうことだったんですよね。
もちろん、何でそもそもやっているんだろう、みたいな疑問とかはあったりするんですけど、会社ですでに型になっている方法みたいなのって、過去何十年も培われてきた最適解みたいなのが一応あるわけで、もちろん無駄も多いかもしれないですけど、一応、最適解ではあるわけですよね。
なので一旦、いろいろ疑問もあったとしても、素直に聞いてみて型にはまる、型にはまってみて、型があるから型破りが後々できるわけで、まずは一旦、1年ぐらいは夢中になって、型にはまって先輩に教えてもらったことを素直にやってみるっていうのは、1つのやり方だったり近道なんじゃないかなとは思いますね。」



藤田
「私も仲さんと同じようにミレニアル世代の1人として、やりたい仕事を追及したり、働き方を模索してきましたが、別にこれはミレニアル世代に限ったことではなく、私たちの社会が豊かになった今、働くこととは何か、もう一度向き合う必要があるのではと問いかけられているような気がしました。」

塩﨑
「『最近の若者は』という言葉は古代エジプトの頃からあると聞いたことがありますが、いつの時代も『ただの理解不足』ということかもしれないですよね。
自分の信じる道を見つけて仕事に生きがいを見いだそうとする若者を企業や組織がうまく受け止めれば、社会全体にも活気が出てくるのではないでしょうか。
新社会人の皆さん、ぜひとも頑張って下さい。」

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