BS1 ワールドウオッチング - WORLD WATCHING -

BS1スペシャル
「ヨウジ ヤマモト~時空を超える黒~」

5月2日(木)午後10時00分放送

黒一色の服が若者の間で、再び一大センセーションを巻き起こしている。服のデザイナーは75歳という年齢ながら、時代の先端を走り続ける山本耀司だ。

1980年代、黒一色の服で挑んだパリ・コレクションで、エレガンスを求める西洋の伝統を打ち砕いたヨウジ ヤマモト。「黒の衝撃」と呼ばれた時から40年近くたった今、当時を知らない若者たちが、その服の力に惹きつけられている。市場にあふれる「画一性」とは対極にある素材、縫い目の数までこだわる黒い服に衝撃を受けた日本、アジア各国の若者が、ネット上でつながり、魅力を拡散しているのだ。

ヨウジ ヤマモトの服は、若者に何を訴えかけているのか?NHKは3月のパリコレに向けた製作の現場に密着することを許された。生み出される過程は、コンセプトを形にするパタンナーたちとの真剣勝負だ。デザインや型紙、縫製はすべて徹底的な手作業。シルエットの美しさ、身体とのバランスを突き詰めるため感覚を研ぎ澄ませる。「服作りは、言葉にできないものを形にする最先端の表現なんだよ」と語るヨウジ ヤマモト。

1980年代にファッション界の価値観を壊し、多様な価値観が交錯する現在も色あせない「黒の衝撃」。時空を超えたそのメッセージに迫る。

【出演】ファッションデザイナー 山本耀司

制作者メッセージ

酒井章行ディレクター

ヨウジ ヤマモトの人柄とは

40年間世界のトップを走り続けている人には年齢を感じさせない「迫力」を感じます。常に思いを巡らせているという感じで、ファッションはもとより哲学や美学、西洋の歴史に関する知見が豊富な方でした。なのでインタビューに限らずちょっとしたお話でも、こちら側もまた試されている感じがありました。ファッションに関してはほとんど素人の私の質問にも真摯にお答えいただきました。

仕事には厳しい山本さんですが、若手のパタンナー(コンセプトを基に服の形を作る職種の人)には親しく接している姿が印象的でした。

印象に残ったこと

ヨウジ ヤマモト社内のアトリエが思った以上に職人の世界だったことです。何年も前に宮大工の取材をしたことがありますが、それと同じだと感じました。

さらに内輪の話になりますが、デザイナーのコンセプトに対してパタンナーが服の形にして何度も検討する方法(何度も試写をして作り直す)は、わたしたちテレビ業界の番組の作り方にすごく似ていると思いました。山本さんも「デザイナーって映画監督みたいなもので、チームワークなんです。しかも縫ったり切ったりまで何でもやる監督」と話していらっしゃいました。

番組で伝えたいこと

メジャーなもの、世の中で「良い」とされているものに対して「本当にそうか」と疑問を持ち、反抗をし続ける事は「単に奇抜なものをつくり、ルールを破るだけではない」というのが山本さんの考え方です。40年間反抗を続けるヒントがあると思います。

この番組は、ファッションに詳しい方にはもちろん、そうでない方にも時代を駆け抜け、世界で評価される日本人デザイナーの生き方や考え方に触れていただければと思います。とっつきにくいと思われがちな(実際、私もそう思ってました)ファッション界ですが、服にデザイナーの思いや力が秘められている世界なのだ、と感じていただければと思います。

「日本をかっこよくしたい」

この場合の山本さんの「かっこいい」は職人の手仕事が残る国であってほしいということだと思います。フランスやイタリア、ドイツなどは職人の技が付加価値として評価され、技術も継承されています。一方で日本では、安価で効率的なものに代替され、急速に失われていることに危機感を持っていると語っていました。文化を支えるクラフトマン(職人)の技を残したい。「アーティストではなくクラフトマン」と自称する山本さんの思いに触れてください。

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