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特集

日本の外交 ここに注目!!

2018年11月9日(金)

アメリカの中間選挙 日本への影響は?

松岡
「今日(9日)のテーマは、『アメリカの中間選挙 日本への影響は?』
早速、けさ日米首脳の電話会談がありましたね。」

岩田明子解説委員
「安倍総理大臣はトランプ大統領に対し、上院で議席数を積み増したことの健闘をたたえました。
これに対しトランプ大統領は、『日米同盟の絆は揺るぎないし、私たちの信頼関係も変わらない。ぜひG20が開催されるアルゼンチンで会いたい』と述べました。」

松岡
「その中間選挙の結果は、野党・民主党が下院で過半数を獲得。
上院と下院で多数派が異なる『ねじれ』の状態となりました。
日本政府はこのねじれをどう見ているのでしょうか?」

岩田解説委員
「日本政府は、アメリカ議会が『ねじれ』たことで、トランプ政権が予算案や法案を通すために、議会との妥協を余儀なくされる局面が出てくると見ています。
また、トランプ大統領の弾劾に向けた動きが進む可能性があると見ています。

そして日本政府が特に注目しているのが、連邦議会の各委員会の調査要求の動き、いわゆる『ロシア疑惑』などをめぐる問題です。
民主党はこれまで、トランプ大統領の数々の言動を問題視し、連邦議会の各委員会に対して調査を要求してきました。
調査要求が出されるたびに、上下両院で共和党が調査を否決してきましたが、今後は民主党が下院で過半数を得たことにより、調査要求の否決が難しくなりました。
これまで否決されてきた『トランプ政権高官の公聴会への召喚』や『高官の通信記録の開示』などの要求が実現する可能性が高くなり、日本政府は、トランプ政権の政策遂行に直接的な影響が及ぶと見ています。」

松岡
「トランプ大統領は厳しい政権運営を迫られることになりそうだと、日本政府は捉えているわけですね。」

岩田解説委員
「日本政府は、トランプ大統領が2年後の大統領選挙に向けて、大統領の権限で実行できる外交や通商政策により力を入れ、米国第一主義を加速させ先鋭化する可能性が高いと見ています。
つまり、同盟国には負担増を迫り、貿易交渉でも各国への要求をこれまで以上に強めるのではないかと見ています。」

松岡
「具体的には?」

岩田解説委員
「まず、日本に対してです。
日本とアメリカの間では、TAG=物品貿易協定の交渉開始で合意し、交渉中は、自動車などの関税引き上げ措置は発動しないこと等で一致していました。
しかし今後は、アメリカは再び自動車への関税引き上げをちらつかせたり、日本に対して、牛肉など農産品の関税引き下げを求めてくる可能性があると見ています。

そして、中国との貿易摩擦は今後も続き、中国以外の国々に対しても、貿易赤字の是正を求めてくると見られます。
また、経済制裁を発動したイランに対しては、今後も厳しい対応が予想されます。
こうした動きは、原油価格の不安定化などを引きおこし、世界経済へ影響を及ぼすと日本政府は懸念しています。」

松岡
「日本をとりまく国際情勢は、より厳しくなりそうですね。」

岩田解説委員
「日本はこれまで『橋渡し外交』を進めてきました。
安倍総理大臣は、トランプ大統領にロシアのプーチン大統領と関係改善するよう水を向けたり、中国の習近平国家主席に対してアメリカとの対話を促すなどしてきました。
また、9月に安倍総理大臣が国連総会でニューヨークを訪れた際には、イランのロウハニ大統領とトランプ大統領、双方に対し対話を呼びかけています。
ところが、トランプ政権が強硬政策をとることで、双方の厳しい要求に対処しなけれならない局面が出てきそうです。」

松岡
「日本外交としては、正念場を迎えることになりそうですね。」

岩田解説委員
「日本は来年(2019年)、大阪で開催されるG20サミットの議長国ですが、そのかじ取りにも影響が及びそうです。
日本政府は、今後も日米同盟を基軸としながら、これまで進めてきた各国との二国間関係を強化していく方針に変わりはないとしています。
安倍総理大臣は、来週日本を訪問するペンス副大統領と、こうした方針を確認する予定です。
国際社会の不透明感が増す中、日本は国際秩序の再構築やバランサーとしての役割が増し、経験値と外交手腕が問われることになりそうです。」

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