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日本の外交 ここに注目!!

2018年3月16日(金)

激動!対北朝鮮外交 日本は?

松岡
「今日(16日)はこちら、『激動!対北朝鮮外交 日本は?』です。
アメリカのトランプ大統領が、北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長からの首脳会談の提案に応じました。
5月までに会談を行う意向だということで世界が驚きましたが、日本政府はどのように受け止めているんでしょうか?」

岩田明子解説委員
「日本政府は、日米が連携して北朝鮮に圧力をかけ続けた『成果』と受け止めています。
また、北朝鮮が体制の保証と引きかえに非核化を全面的に受け入れれば、東アジアの安全保障環境を転換させる大きな節目になるとも見ています。」

松岡
「それにしても急展開の動きでしたが、北朝鮮側のメッセージは、日本側にどう伝えられているのでしょうか?」

岩田解説委員
「今月(3月)13日、韓国の特使として、北朝鮮のキム・ジョンウン委員長らと会談したソ・フン国家情報院長が来日し、安倍総理大臣と面会しました。
この中で、ソ院長は次の3点を説明していたことがわかりました。

1、キム委員長は、朝鮮半島の非核化を前提にしている。
2、米朝首脳会談に条件をつけていない。
3、キム委員長は対話の間、核実験や弾道ミサイルの発射など挑発行為を再開しないと明言した。

また、日本政府は、キム委員長が事務レベルの事前協議を経ず、直接、トランプ大統領に伝わるようメッセージを伝えた点や、アメリカに伝えた内容を、韓国を介して、日本、中国、ロシアにも同様に伝えてきた点に注目しています。
急展開の動きに、日本政府は当初戸惑ったようですが、安倍総理大臣は、今回は従来より日米が強い立場で交渉できるのではないかと分析しました。」

松岡
「実現すれば、歴史的な会談となると思いますが、これまで、北朝鮮との交渉は失敗も繰り返してきましたよね。」

岩田解説委員
「安倍総理大臣は、過去の失敗は北朝鮮との対話に入ったことではなく『制裁を解除するタイミングを誤ったことだ』と見て、トランプ大統領にも電話会談で指摘しました。
過去、北朝鮮が常とう手段としてきたのが、いわゆる『サラミ戦術』です。」

松岡
「サラミ戦術?」

岩田解説委員
「ニョンビョンの核施設の稼働停止などを巡って、『核開発凍結』や『核施設の無能力化』など、段階を区切って譲歩の姿勢を見せ、その代わり、制裁の緩和や経済支援などの対価を求めて、北朝鮮にとって最大限の効果を得ようというものです。
結局、時間稼ぎに使われて核開発が進んでしまいました。」

松岡
「今回は、そうした戦術に巻き込まれないようにということですね。
一方で、拉致問題を抱える日本にとって、今後の課題は何でしょうか?」

岩田解説委員
「まず、米朝首脳会談で、アメリカが抱える人質問題と日本の拉致問題をセットにして交渉のテーマにできるかどうかです。
また、アメリカを狙ったICBMだけでなく、日本を射程におさめている、中距離弾道ミサイル『ノドン』などの廃棄も確約できるかどうかが課題です。
さらに米朝首脳会談の後を、どう展開させていくのか。

日朝、日米韓と北朝鮮の4か国、そして6か国協議などの枠組みが考えられますが、拉致問題を解決させるためには、多国間での会合に向けた流れを日本が主導することが必要です。
タイミングを見極めて、各国の連携を維持するための技量と経験値が求められます。」

松岡
「今後、日朝首脳会談をはじめ、日本が北朝鮮と直接交渉する可能性はあるのでしょうか?」

岩田解説委員
「米朝首脳会談の行方をにらみつつ、タイミングと可能性を探ることになります。」

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