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特集

2020年10月6日(火)掲載

インドネシア 伝統生薬ジャムーを若者に

インドネシアの伝統の生薬、ジャムー。
ショウガやウコンなどから作られる飲み物で、体調を整えるのに良いと古くから重宝されてきました。
その独特の味から苦手意識を持つ若い人たちも多い中、新しい飲み方を提案することで多くの人に親しんでもらおうとビジネスを手がける、一人のインドネシア人を追いました。

(インドネシア 谷澤 壮一郎)

苦手意識も?インドネシア伝統の生薬ジャムーとは?

インドネシアの商店街や市場などで売られ、風邪予防や滋養強壮によいといわれているジャムー。

原料となるのは独特の風味があるショウガやウコンなどの根や葉っぱで、砂糖などを煮込んだ甘い液体と調合して作られます。

苦みやえぐみのあるジャムーは、決して飲みやすいとは言えないため、若い世代ではジャムー離れが進んでいます。

男性客
「飲めなくはありませんが苦いです」



カフェスタイルでジャムーのイメージを一新

ジャムーのイメージを一新しようと、2年前にオープンしたカフェがあります。
このカフェでは、ジャムーの風味を引き出そうとコーヒーの機械を使って一杯ずついれています。

一杯およそ300円。原料の割合や風味が違う10種類以上のメニューから好みのジャムーを選び、優雅な時間を過ごせると若い女性を中心に人気を集めています。

この店を立ち上げたジョニー・ユウォノさんです。
ジャムー専門の飲料メーカーに勤めるジョニーさん。
ジャムーの消費の幅を広げられないかとカフェスタイルで提供するアイディアを思いつきました。

ジャムーのカフェ創業者ジョニー・ユウォノさん
「このカフェでジャムーの新しい楽しみ方を知ってもらいたいです。 具合の悪い時だけではなく、日常に飲める飲み物として広げたいです」



健康意識の高まりがジャムーの消費を後押し

今、新型コロナウイルスの感染拡大による健康意識の高まりによってなじみのなかった人たちの間でも、ジャムーを見直す動きが起きています。

市民
「コロナがはやっているので、ジャムーを飲むことは体によいと思います」

インドネシアのジョコ大統領も「一日一度飲んでいたジャムーを、コロナがはやってからは、朝昼晩、飲むようになった」と発言し、注目を集めました。

国内のジャムーの消費は急増し、飲料メーカーは、生産体制を拡大。
中には売上が3倍以上に伸びる商品も出てきました。

ジャムー飲料メーカー社長 サイモン・ジョナタンさん
「需要は急拡大しています。インドネシア全土の人々がジャムーの力を信じて飲んでいます」

ジョニーさんは、これまでにはなかった新メニューの開発にも力を入れています。

濃い目に抽出したジャムーをアイスにかけたデザートや、のどごしにこだわったジャムーのソーダ割りも開発しました。


「普通のジャムーと違って、とても美味しいです」



ジャムーの原料を生産する農家にも変化

ジョニーさんは、ジャムーの原料を有機栽培する農家と高値で取り引きを始め、農家は、安定した収入が得られるようになりました。

農家
「ジョニーさんたちが確実に買い取ってくれるので多くの農家が助かっています」

さらに、風味の良いジャムーを家でも楽しんでもらおうと、店頭で乾燥したジャムーの量り売りも始めています。

ジャムーのカフェ創業者ジョニー・ユウォノさん
「ジャムーがインドネシア発の飲み物として世界中の人に親しまれる存在になることが私の夢です」

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