
アフガニスタンで今、長年にわたって軍事作戦を展開してきたアメリカ軍の撤退が進んでいます。
ことし(2020年)2月、アメリカと反政府武装勢力タリバンの間で交わされた和平合意により、現地に1万3千人いたアメリカ軍の部隊は、この半年で3割以上削減され、8,600人規模になっています。
しかし、アフガニスタン政府とタリバンとの間で、和平に向けた動きはほとんど進んでなく、戦闘やテロが依然、続いています。そしてその隙をつくかのように勢力を拡大し、新たな脅威となっているのが、 過激派組織IS=イスラミックステートです。

こちらは、アフガニスタン国内の勢力図です。まず緑のタリバンを見ます。1994年に結成されたタリバンは、国内に4万人から6万人いるとみられます。失業者や貧困層を取り込み、住民からも一定の支持を得ているとみられ、この緑の部分、国土の広い範囲を支配下に治めてます。
一方、ISは、5年前から、この赤い部分、パキスタンとの国境に近い東部ナンガルハル州の山岳地帯を主な拠点に活動しています。ISはシリアなどで壊滅に追い込まれましたが、このアフガニスタンでどのように巻き返しを図っているのか。その実態を追いました。
(イスラマバード支局長 山香道隆 ワシントン 支局記者 太田佑介)