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特集

2019年10月16日(水)掲載

インドに日本のアニメ映画を広げたい!

年間1500本以上を製作し、映画大国として知られるインド。アニメはまだ浸透しているとは言えないが、日本のアニメ文化への関心は年々高まっている。そんな中、今月11日、新海誠監督の最新作「天気の子」の一般公開が始まった。日本のオリジナルアニメ映画としては初めてとなる、画期的な出来事だ。実は、この作品のインド公開を後押ししたのが、ほかでもない、インド人の1人のアニメ少年の熱意だった。

インドのアニメ少年の人生変えた「君の名は。」

先月(9月)からインドの首都ニューデリーで始まった日本映画祭。来年2月まで7都市を巡回し、日本映画の最新作や話題作あわせて25本が紹介される。その中でも、ひときわ注目を浴びたのが、日本でも大ヒットのアニメ「天気の子」だ。新海誠監督が舞台あいさつに登場すると、熱狂的な現地のファン、約350人から大きな拍手と歓声が沸き起こった。

ディビッシュ・パンチョリさん

会場には特別な思いでこのときを待っていた1人の高校生がいた。ディビッシュ・パンチョリさん(16)だ。

ニューデリーから車で5時間、西部のラジャスタン州に住むパンチョリさん。幼いころからテレビで日本のアニメを見て育ったという。そんなパンチョリさんの将来の夢は、アニメ監督になることだ。この夢を持つきっかけとなったのが、新海監督の「君の名は。」を観たときの衝撃だった。「とても美しく、すべてが印象的な映画だった。「君の名は。」が人生の一部になるほど人生を変え、最も影響を受けたアニメだ」(ディビッシュ・パンチョリさん)。
これまで、インドでは日本のアニメ映画が公開されたことは、ほとんどなく、多くの人たちは、海賊版や違法な動画配信などで見るしかなかった。

“何とかして新海監督の最新作を映画館で楽しみたい”

そんな思いから、パンチョリさんは、今年2月の誕生日に、インターネットでインドでの公開を呼びかける署名活動を始めた。「個人的な思いで始めたことですが、何もせずに後悔はしたくなかった」(ディビッシュ・パンチョリさん)。
2か月後、思いもよらぬ人から反応がきた。

「『天気の子』が、インドで公開されればとてもうれしい」

パンチョリさんの署名活動を知った新海監督が、ツイッターにメッセージを投稿したのだ。それがきっかけとなり、署名の数はみるみる増え5万6000を突破。そして、今年8月。パンチョリさんたちの思いが関係者を動かし、インドでの公開が決まった。

ディビッシュ・パンチョリさん
「まさか、本当に公開が決まるとは考えていなかったので本当に驚いた。映画を観るのが本当に楽しみで待ちきれない」



“新海監督のようなアニメ監督になる” 夢を実現へ

映画祭初日、特別に招待されたパンチョリさんは、夢にまでみた新海監督の最新作「天気の子」を映画館で鑑賞。さらに、憧れの監督との対面が実現した。

新海監督とパンチョリさん

ディビッシュ・パンチョリさん
「将来、新海監督みたいなアニメ監督になりたいです」

新海監督
「ありがとう。自分の中で一番大切なものを見つけるのが、いい映画を作る最初の一歩だと思います。将来、パンチョリ君の作品を観るのを楽しみにしています」

ディビッシュ・パンチョリさん
「時間はかかると思いますが、必ず新海監督に観ていただく映画を作ります。それが僕の夢です」

ディビッシュ・パンチョリさん

「監督と会えるなんて思ってもいなかったから、夢がかなったようだ。僕を勇気づけてくれた。だめになりそうになったときにもらったサインを見てがんばる」

新海監督から背中を押されたパンチョリさん。「アニメ監督になる」という自らの決意をあらたにしている。

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