にっぽん縦断 こころ旅
前略
私の故郷、秋田県能代市(旧二ツ井町)には「きみまち阪」という小さな山があります。
ここは、町のみんなが二ツ井の自慢は?と問われると、必ず「きみまち阪」かなという場所で、私は、
小学校のなべっこ遠足で、鍋や炭を持って「きみまち阪」に行き、水辺のせりをとったりしておいしいきりたんぽ鍋を食べたことが忘れられません。
今では、小学校も跡かたもなくなり、故郷もさみしくなる一方ですが、帰省するたびに母は、
「きみまち阪へ行ったが、きみまち阪は宝の山だからな」と言います。
どんな宝の山なのかは、それぞれの思いを描くものがあると思いますが、
頂上から見た日本海。
第一広場から見上げるびょうぶ岩や向かいに見える七座山や米代川の景色は、故郷を離れていても私の心の中にいつも描ける宝の山なのです。
どうぞ、故郷の宝の山に足をのばしてみて下さい。
横浜市
松岡純子さん(65歳)からのお手紙