にっぽん縦断 こころ旅
思い出の風景
天満神社と忠魂碑の間にある大きな楠
正平さん、チャリオくん、スタッフの皆様おはようございます。『こころ旅』を長い間拝見しています。私にはこれといった思い出の風景はないなあと思っていました。
それが見つかりました。
高野街道沿いの実家(高市郡高取町市尾)の前にある樹齢数百年の楠です。
根っこが四方に広がり盛り上がりおもしろい形をしています。
楠の木の下で鬼ごっこ、ゴム跳びをしたり、枝に登ったりと子どもの遊び場でした。小学校の集団登校の集合場所で出発まで遊んだ、楽しい思い出がたくさんありました。毎週土曜日の午後、子ども達で階段の掃除をしていました。
また、春、秋にはすごい量の落ち葉があり、掃除の苦労も大変でした。ご近所の方々は一日に二回も掃除をして下さっています。感謝しております。
私も時々帰って掃除をするたびに、根っこのコブが階段ののべ石を乗り越えて大きく成長しているように思えてなりません。
六十年あまり経つとこんなにも成長するのかと、
過ぎ去った時を感じています。
それが昨年 近くの天満池の龍の伝説から『楠の龍神様』と呼ばれ 根っこのコブが龍の顔だと教えてもらいました。
そう思って見ると目・鼻・口らしいことが分かります。
このことが、何気なく見ていた風景が、私にとって大切な思い出の風景だと気づかせてくれました。
何も知らずに走り回っていた頃が懐かしいです。
この龍神様が実家を見守ってくれているように思え、帰るたびにそっと手を合わせています。
正平さんにも この不思議な楠の龍の顔を見てもらいたいです。
どのような感想をもたれるのでしょうか。
木下貴美子(68歳)
奈良県桜井市
木下貴美子さん(68歳)からのお手紙