にっぽん縦断 こころ旅
私のずうっと残したい故郷の風景は、小林市立小学校のクスノキです。
私は、小学3年生まで宮崎県小林市立病院で生まれて、小林市で育ちました。
64歳になろうとしている今日も、遠く離れた北陸の地で、その頃の光景が思い出されています。あの頃一緒に遊んだ友達はどうしているのだろう。
さて、私が正平さんに行ってもらいたい場所は、宮崎県小林市立小林小学校です。その小学校には、校門近くに大きなクスノキがありました。
私が小林小学校に通ったのは3年生までだったので、もう55年ほど前になりますが、その頃でも大きな木でした。今も残っているのでしょうか?
その場所へは、その後一度も訪れたことはありません。
故郷を離れてから、看護師として必死で働き、三人の子どもを育て、今は、8人の孫に囲まれて幸せなおばあちゃんになっています。
孫たちを見ていると、自分の育った頃を懐かしく思うようになりました。
私の原点はどこだろうと考えると、小林小学校時代の3年間ではないだろうかと、思うようになってきました。その小学校にあったクスノキを思うのです。
55年前、休み時間にはその木の周りで、同級生の男の子、女の子混じりあって、うんていで遊んだり、けんかしたり、体育の授業を受けたりしたものです。
風に吹かれてクスノキの葉が揺れていたこと、担任の先生に褒められたことを思い出します。
ずうっと、その学校でみんなと学びたかったのに、出稼ぎでいなかった父親から家族を呼び寄せられて、故郷を離れざるを得なくなったのです。
だからこそ、正平さん、私の代わりに、どうぞ小学校へ行って欲しいです。そして、クスノキはどうなっているか見て欲しいです。
また、水の手橋の近くに、母と弟と住んでいましたが、帰り道で、友達とサツマイモ畑で、残しておいた給食のパンを食べたり、レンゲ畑で遊んだり 川で遊んだりと、あっちこっちで道草をして帰ってきました。
その道も自転車で通ってください。
どうなっているのでしょうか。
遠い地で孫守りなどで、故郷へなかなか帰れませんので、こころ旅で見てみたいです。どうぞ、よろしくお願いします。
福井県坂井市 藤岡 ひとみ 64歳
福井県坂井市
藤岡ひとみさん(64歳)からのお手紙