にっぽん縦断 こころ旅
正平さん チャリオ君、スタッフの皆様
いつも楽しく見ております。
私のこころの風景は、父と見上げた早瀬大橋です。
瀬戸内海の島々の中の倉橋島と能美島をむすぶ大橋です
正平さん、心配しないで下さい、大橋の上から見る風景ではなく、大橋を見上げる風景です
私が中学生のころは、高度成長期で 父は毎日、朝早くから夜おそくまで働きづくめで 顔をあわす時が少なく、
口下手な父との会話はほとんどなかったです。
でも 働き者の父は私の自慢でした。
そんな父と 初めて二人でドライブに出かけたのです。
呉市内の487号線を走り まずは倉橋島にかかる音戸大橋をわたります。そして 35号線を右に海を見ながら走ります。
父が「もう少ししたら 橋が見えてくるぞ」と言うので、私は次のカーブを曲がったら見えるかな、次かなと心待ちにしました。やっと遠くに橋の一部が見えた時は 「見えた!」とさけびました。どんどん大きく見える橋の姿にワクワクしました
早瀬小学校をすぎたところにあるバス停に、車を止めて、見上げ、「ワ~、大きいね~」と二人で言いました
大きな橋脚にあっとうされたのを覚えています
父は80歳で亡くなりました。亡くなる少し前に、酸素ボンベをつけた父を助手席に乗せて、同じ場所で橋を見上げました。「大きいの~」とポツンと父が言いました。
すでに 早瀬大橋より大きな橋があるので、もう目を見はるほどの大きな橋ではないのですが、
「大きいね~」と私も言いました
海の香りがとっても気持ちいいですよ
ぜひ 行ってみて下さい
広島県広島市
本田彰子さん(59歳)からのお手紙