にっぽん縦断 こころ旅
正平さん、スタッフの皆さん、チャリオ君、秋の旅を楽しみにしていました。私のこころの風景は 広島県世羅郡世羅町の福塩線の備後三川(びんごみかわ)駅です。46年前に一度だけ訪れた駅です。私の父は働き者で、とてもやさしい人でした。4人兄弟の末っ子の私は いつもくっついていました。
どこへ行っても「お父さんそっくり すぐわかるよ」とよく言われ、嬉しかったことを覚えています。そんな私が、高校生の夏休み、その頃流行っていた、文通相手と初めて会うことになりました。父は私を軽トラックに乗せて、備後三川駅まで送ってくれました。 私は一人で汽車に乗ったことがなく、緊張して、ペンフレンドと会って何を話したか、どんな顔だったか覚えていません。ひたすら駅を数えて、備後三川駅に帰ってきました。改札口を出ると、いつから待っていたのか、軽トラックに乗った父がいました。私は父の顔を見て、ほっとしました。
その夜はあまりの緊張のせいか、体が震えるほどの高熱がでたことは よく覚えています。それ以来、一度も訪れたことのない備後三川駅ですが、あの時、今はすでに亡くなっている父が、どんな風景を見ながら、私を待っていてくれたのか・・・・・。
正平さん、かなり変わっていると思いますが、見てきていただけませんか。でも、ずいぶん山奥にあった駅のような気がします。
よろしくお願いします。
広島県廿日市市
岡田千秋さんからのお手紙