にっぽん縦断 こころ旅
「こころ旅」の 始まりを 楽しみにしていました。
私の心の風景は
熊本県菊池市旭志の畑の中にある「いがわさん」と呼ばれている 湧水です。
今は上下水道が 完備され静かな場所ですが 子供の頃、父の帰省についていくと 夏は 子供達の涼しい遊び場になり、親は洗いものをしたりと とても賑やかでした。
父の転勤や、私の結婚で東京に来てからは、菊池は遠くなり 以来三十年振りに そこに立った時 子供達の笑い声、大人の会話が聞こえてくる様でした。
そして どんなに時間が経っても消えない悲しさ、体のこわばりも 何か暖かいものに包まれて ほぐれていった所です。
もし時間があれば 横に流れる川を渡った所に行ってもらいたい所があります。
道路の 右に旭志中学校、左に旭志体育館があります。
その体育館の門の横の道を数メートルあがると 桜の花ごしに 旭志神社、その下に旭志の家々があり、それは一幅の絵を みるようです。
晩年 意識がないと思える父の耳元で
「伊萩から お見舞いの方が みえたよ」と 云うと
ホロホロと涙が こぼれました。
右側方向にある「くら岳」も含めて 旭志全部が父の心の風景だったのでしょう。
是非 たずねてみて下さい。
皆様の 旅のご無事を 祈っています。
東京都町田市
絢子さん(75歳)からのお手紙