にっぽん縦断 こころ旅
正平さん、スタッフの皆さん 連日お疲れ様です。
私が紹介する風景は、母の人生を決定した場所 登米市迫町北方(とめし はさまちょう きたかた)にある『兵粮山』(ひょうろうやま)です。
天正19年(1591年)佐沼の役の際、伊達政宗が兵糧を運び入れ炊飯の場としたことから名付けられたと聞いています。
当時珍しかった恋愛で結婚した両親の初デートの地です。
物心ついて初めて家族で行ったハイキングも兵粮山、高校のサイクリング大会も兵粮山とエポックメークの場所でもあります。
母は昭和7年に中国との国境の町 朝鮮新義州で生まれたイイとこのお嬢さんでした。
戦争が激化し早めに帰国しましたが、田舎の生活にビックリしたようです。(一緒に帰国した一番上の姉は、近所にあった小学校の木造校舎を見て「なんて大きな倉庫」と言ったそうです。)成人するまで料理を含め家事一切が出来なかった母ですが、初めてのデートには父の為におにぎりを作っていきました。
そのおにぎりは、塩の代わりに砂糖で味付けされたものでしたが、父は「おいしい、おいしい」と言って食べてくれたそうです。
自分が食べてミスに気づいた母は、父のやさしさに『この人と結婚しよう』と心に決めたそうです。
母のミスがなければ、私は生まれていなかったかもしれませんね。
40年以上訪れていませんが、現在はキャンプ場としても整備されているようです。
できれば晴れた日に訪れてみて下さい。
何故か ホッとする場所なんです。
丘陵地なので上り坂がありますが、距離は短いのでご安心下さい。
道中、お気をつけて。
富山県高岡市
北川雅博
富山県高岡市
北川雅博さん(61歳)からのお手紙