にっぽん縦断 こころ旅
正平さん、スタッフの皆さん、お疲れ様です。
「こころ旅」は、私にとって癒しのひとときになっています。
私の行ってもらいたい場所は黒石市にある中野神社です。
中野神社は、私の母にとって大切な思い出の地ですが、階段が多く85歳になる母には、行くことができない遠い場所になってしまいました。
母は父と63年前に結婚しました。父は結婚する前、旧国鉄で仕事をしていましたが、祖父が急死した事で長男だった父は、農業を継ぐ事になり、急きょ母とお見合いで結婚したそうです。その父は33年前57歳の若さで亡くなりました。
その後、母は1人でりんご、米、メロンを作り、朝早くから暗くなるまで農作業に励んでいました。
働き詰めだった母が辛い時や嬉しい時に心の拠り所にしていたのが中野神社でした。
神社への道中、行く手には、八甲田連峰、背には、「津軽富士」の岩木山が望めます。
102号線をさらに進み、トンネルを抜けると正面に見えるのが「中野もみじ山」です。
(夏は新緑が映え 秋には、真っ赤なもみじが大変美しく、「小嵐山」とも呼ばれています)
信号左折し、看板を目印に行くと鳥居が見えてきます。鳥居をくぐって階段を下り、不動の滝を右手に朱色の橋を渡ると左大臣右大臣が迎えてくれます。
石段を上りきると樹齢600年の大杉がそびえ立ち、昔は、その近くに土俵があったそうです。体が大きく相撲が強かった父にとってはそこが青春の場所でした。また夏には、家族で毎年欠かさず、宵宮へでかけた楽しい思い出の場所でもあります。
父との大切な思い出の場所、中野神社へ 母が事あるごとに参拝していたのは、長年苦楽を共にするはずだった、父との会話をするためだったのかもしれません。
そんな父と母の思い出の地を是非訪ねて頂ければ幸いです。
どうぞ宜しくお願い致します。
青森県黒石市
櫻庭せつ子さん(61歳)からのお手紙