にっぽん縦断 こころ旅
“亀岡の文殊様”
正平さん、チャリオ君、スタッフの皆様 いつも心あたたまる番組をありがとうございます。自分の思い出を重ねあわせたりしながら楽しみに拝見しています。
私の心に残る風景は 山形県東置賜郡高畠町にある亀岡文殊です。この文殊様は奈良の安倍文殊院、京都府宮津の智恩寺(切戸の文殊)と共に日本三大文殊の一つだそうです。
中学一年の一月、最後の日曜日に友人の和子さんと私 それぞれのボーイフレンドと4人でどこか少し遠い所迄遊びに出かけようという事になりました。当時住んでいた米沢は雪がとても多く何処へ行くにも大変でしたが初めてボーイフレンドと出かける楽しみは大きかった様に思います。相談の結果 行く先は 和子さんのボーイフレンドK君が三年生だったので 高校の合格祈願を兼ねて その筋の亀岡の文殊様に決まりました。そこに着く迄バスを乗り継ぎどの位時間がかかったのか覚えていませんが行きました。バス停からしばらく雪道を歩き お堂に着くと 早速お祈りを済ませました。
辺りをグルグル回ってみると「利根水(りこんすい)」と呼ばれる湧き水を発見しました。みんなでその湧き水を一口ずつ飲んだら単純ですがなんだか文殊様から智恵を授かったような気分になったものです。
お昼になり近所にあった食堂で中華そばを食べ 少し遠くにいる開放感からか帰りの雪道をドキドキしながら初めて手をつなぎバス停迄歩きました。又、バスを乗り継ぎ無事家に帰れたのですが 後日どうしてか4人で出かけた事が学校に知れ 担任の先生にかなりきつく注意を受けてしまいました。何も悪い事をした訳ではないのにどうして?と言う気持ちで しばらく担任の先生と口をきかない反抗をしてしまいました。今思えば 色々な意味で心配して下さったのだと思います。今は亡き先生 ごめんなさい!!亀岡の文殊様迄の小旅行でしたが K君は無事志望校に合格されホッとしたものです。
現在それぞれの消息は不明ですが 遠い思い出がこころ旅を見る度なつかしくよみがえって来ます。
どうぞ皆様 これからの旅のご無事を 心よりお祈りいたしております。
さいたま市
大原滋子さん(70歳)からのお手紙