にっぽん縦断 こころ旅
「高岡市営城光寺野球場」
火野正平さん、スタッフの皆さん、チャリオさん、こんにちは。
私のこころの風景は昭和48年に開場された「高岡市営城光寺野球場」です。
その数年前に開催された「大阪万博」には連れて行ってもらえませんでした。その後は子供ながら執念深く、事あるごとに「万博行きたかった」「万博行きたかった」と繰り返していたのです。
ある時「おい、江川見に行くぞ」と父が言い出し、野球場へ連れて行ってくれました。柿落としの記念行事として、作新学院が招待され地元の名門、高岡商業と対戦したのです。
高商の選手達より数倍大きく見えた「1」の背番号。キャッチャーミットに球が沈んだ時の「ズバーン」という音。「ウォワー」という球場全体の揺れんばかりのどよめき。
信じられないような事ですが、あの大投手がちっぽけな北陸の野球場に来たのです。当時野球少女だった私は、うっとりと見とれてしまいました。太陽の塔よりも月の石よりもすばらしい物を見せてもらった気がします。
ただ、半世紀近く前の出来事で、あの時ちゃんと今は亡き父に「ありがとう」と言ったか記憶が曖昧です。
正平さんに甲子園よりずっと小さい城光寺野球場を見ていただけるだけでも嬉しいです。
しばらくしたら、「万博行きたかった」「万博行きたかった」と繰り返した私もくどいなあ。
山本 秀子 55歳
高岡市
山本秀子さん(55歳)からのお手紙