にっぽん縦断 こころ旅
火野正平様、スタッフの皆様、自転車の旅お疲れさまです。
いつも楽しく拝見しています。
私のこゝろに残る風景は富山県南砺(なんと)市城端(じょうはな)、縄ヶ池駐車場から見た散居村の風景です。
今から18年前、三女が富山の人と結婚したいと言い出しました。娘の話すところによると、富山県に住むことになるとのこと。娘は生まれも育ちも茨城県。学生時代を北陸地方で暮らしたとはいえ、雪国の暮らしの大変さを果たしてどのくらい分かっているのだろうか?風俗、習慣も異なり友人もいない地で、うまくやっていけるだろうか?
親の心配をよそに話はどんどん進み、私達夫婦で富山の彼の家を訪問することになりました。
案内されて行った縄ヶ池駐車場からの散居村の眺めは なつかしい日本の原風景のようでした。屋敷林に囲まれた家々が、広々とした水田に浮かんでいるように見える風景に 私の心配は薄れていきました。こののどかな風景の中で(ちなみに嫁ぎ先は米農家です)、自分の選んだ人と暮らすのも良いかもしれないと思えるようになりました。
今、娘は二児の母となり、地元にとけ込み、幸せに暮らしています。
時々散居村の風景を思い出し、その中で暮らしている娘の姿を想像しています。
新田順子(73歳)
東京都多摩市
新田順子さん(73歳)からのお手紙