にっぽん縦断 こころ旅
にっぽん縦断 こころ旅、正平さんチャリオさん こんにちは
毎朝の時計のように番組をいつも見ています。そして 自転車でゆく正平さんの心に触れる時間が好きです。
私忘れられない風景は 故郷 鹿児島吹上(ふきあげ)町の隠れた森 大汝牟遅神社横、樹齢千年もの大楠の森です。
高校を卒業して進学で関西にでて、40年過ぎたころ。
故郷にいる高齢の母が 吹上の病院に入院しているときのこと。
大阪から帰省して、病院の近くのホテルに泊まり 看病に通ったのですが、母は私の顔は覚えていましたが、少し 認知症もはじまり 私の気持ちが沈んでいました。
宿のパンフレットで 大楠の森を見て、看病の合間に病院の外にでて訪れてみました。吹上の町から坂道、徒歩15分上ったところ。
大楠たちは何百年と、そこにいて雨や風受けたでしょう、、、見上げると空が遠くにありました。大きくて視野に入らない、暑い日差しは消えて、ひんやりします。まっすぐに空にのびる木、寝そべる木、何本あったでしょうか。森は静まり 何も聞こえません。落ち葉が散り積もり、足元がふかふかします。
森の中を歩いて、自分のちっぽけさがみえてきて、苦しさが消え、元気をもらいました。
一年後、母が亡くなり見送った帰り、家族や兄弟で またここを訪れました。言葉にならない大きいものをいっぱい吸い込んで 心に詰め込んで 関西、関東にそれぞれ戻りました。
両親がなくなると帰省することが減ってしまいました。でも大楠たちに会いたいです。ふるさとにある 大切な 残っていてほしい とっておきの場所です。
12月の鹿児島、寒い日もありますが、ぜひ正平さんも訪ねてみてください。木の周りを歩いたら、ますます元気をもらえると思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
大阪市 行成(ゆきなり)さや子 66歳
大阪市
行成さや子さん(66歳)からのお手紙