にっぽん縦断 こころ旅
「お父さんは養子か」と言われた?海岸
いつも温かくて、優しくなれる“こころ旅” ありがとうございます。
さて、私の心の風景は、85歳の母の遠い記憶に残る 開聞岳の見える川尻の海岸 です。
小学校高学年の頃だったかと思います。その川尻海岸で 家族で魚釣りをした時のことです。母と私たち姉弟の竿に、鱚が次々とあがり、大漁でした。父(九年前他界)は、私たちの釣り針にエサをつけては、海に投げ入れてくれるの繰り返し。釣りをする暇なんてありません。
そんな時、幼い弟に、そばにいた釣り人が、「お父さんは、養子か」と言ったらしいのです。
自分は釣ることなく、家族サービスに忙しい父の姿を見て養子と思われたのでしょうか。もちろん父は養子ではありません。その時のことが、母の記憶にあったようです。
そこは、長崎鼻から開聞岳に通じる県道242号線脇の松林から砂浜におりた海岸です。
最近、その道をドライブする時に、母がこのエピソードを口にするようになりました。
車内は笑い声に包まれます。今は、松林から入れるか わかりません。
50年くらい前は、松林に車を止められ、砂浜におりられる所が、何か所かあったように思います。
もし訪ねてくださったら、最近のことは、すぐ忘れる母の心に、楽しかった遠い日の光景が、浮かんでくれたら、うれしく思います。
そして、また皆んなで大笑いしたいです。
鹿児島市 平田京子(62歳)
鹿児島市
平田京子さん(62歳)からのお手紙