にっぽん縦断 こころ旅
正平さん、チャリオ君、スタッフの皆さん
こんにちは!いつも楽しく拝見しております。
私の懐かしい思い出の場所、それは今から四十年以上前の中学生時代の通学路にある通称「ときんどんの坂」です。
そこは、こんなところを通学路にしても良いの?と驚くほどの場所にあり、その勾配たるやものすごく、毎日が試練と思わせる難所でした。
中学生は丸刈りにしないといけないので、入学式の三日前に渋々散髪屋さんに行き、人生初の丸刈りにしてもらいました。散髪屋さんからの帰り道、首筋がぞわぞわ、背筋がぞくぞく、その夜熱を出し、入学式の前日まで寝込みました。
入学式の当日はふらふらしながら家を出て、いよいよ ときんどんの坂にさしかかり、見上げると壁のように感じました。付き添う父が何度も「大丈夫か?」「休ん休ん歩め」と案じてくれました。九十九折の坂の途中で何度か休みながら登りきりました。
以来、毎日その坂を登り下りする内に鍛えられたのか、三年間休むことなく通い続け、皆勤賞を貰いました。
部活でくたくたになり、腹ペコの下校時は、勝手に足が坂を下ってくれたの憶えております。
志布志中学校は中世の山城跡に建てられたもので、坂の途中に時見神社があり、時見坂、時見殿の坂、ときんどんの坂と呼ばれるそうです。
正平さん、自転車ではとても無理ですので、歩いてチャレンジしてみて下さい。
ときんどんの坂への通学路は、町内の上町商店街、木村時計店脇の細い路地を抜けたところに在ります。
皆様の旅の安全を祈念致します。
東京都葛飾区
高木 弥(タカキ ワタル 五十九歳)
東京都葛飾区
高木 弥さん(59歳)からのお手紙