にっぽん縦断 こころ旅
火野さん、スタッフのみなさん、こんにちは、「こころ旅」いつも見ています。
私のこころの風景は、昭和59年に廃線になった旧国鉄、妻(つま)線です。私は、西都市の高校に、この妻線を利用して通学していましたが、卒業してまもなく廃線になりました。
平成27年2月に亡くなった私の父は、国鉄職員で、若い頃は、蒸気機関車を運転し、40代50代には、ディーゼル車の運転をしていました。
時々、ほんとにたまに、私が通学する列車の運転をしていたのを思い出します。
朝、「西佐土原(にしさどわら)駅」のホームで待っていると父が運転する列車がスーっと入って来ます。たった2両の列車です。(1両の時期もあったかな?)16歳17歳の女子高生だった私は、友達に気づかれない様に知らないふりをして列車にのり込みます。途中「黒生野(くろうの)駅」手前で急カーブがあり、いつもそのカーブの時はググーっと右に傾き、車内では、吊り革や手すりにつかまったりする踏ん張りポイントなのですが、父の運転の時は、とてもスムーズで、揺れも少なく、学生で満員の車内で、「あらっ今日は、揺れんね」とのささやき声が、あちらこちらから聞こえてくるのです。私は心の中で「今日は、うちのお父さんの運転だし」とにんまり。私もそれをすぐに家で父に伝えればいいのに、ずいぶん大人になって話し、父はとても嬉しそうにうなずいていました。その時の顔が目にうかびます。
その妻線も今は、サイクリングロードになってますが、私は通ったことがありません。
西都市も、のどかでいい町です。
よろしくお願いします。
それでは、気をつけて旅を続けて下さい。
宮崎市
荒川晶子さん(54歳)からのお手紙