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こころフォト

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こころフォトに寄せて

木村玲欧さん(きむら・れお)

防災心理学者。1975年、東京都生まれ。
兵庫県立大学環境人間学部准教授。
東日本大震災をはじめ、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、スマトラ沖津波など、被災者の心理・行動、生活再建を研究している。編さん書に『日本歴史災害事典』(吉川弘文館)、著書に『歴史災害を防災教育に生かす-1945三河地震』など。

深い悲しみに沈んでいる方を見たときに、私たちはなかなか声をかけられません。
声をかけていいのか、どんな言葉をかければいいのか、通りいっぺんの言葉で相手に伝わるのか、もしかしたらさらに悲しみを強めることにつながらないか・・・、わかりません。
でもこのまま放っておくことはできない。
そんな気持ちの人たちがたくさんいると思います。

「こころフォト」は、亡くなったり行方不明になったりされている方々と出会えるだけではなく、今、悲しみに沈んでいる人が、どのような想いを持って毎日を過ごされているのかを知ることができます。私たちはそのような想いを知り、共感することで、悲しみに沈んでいる方々に少しでも寄りそうことができるのならば、と願っています。

阪神・淡路大震災をはじめ、これまでの災害でも、多くの悲しみが生まれました。
これまでの被災者のみなさんのお話をうかがうと、災害によって3種類の「人と人とのつながり」ができることがわかります。1つは、災害によって失われてしまったつながり、1つは、災害前から変わらないつながり、1つは、災害によって新しくできたつながりです。

もちろん失われてしまったつながりは、何ものにも代えることができません。
私たちは、失ってしまうこと-喪失感-に強くとらわれます。
その気持ちが薄れることはなかなかありません。
しかし一方で、これまでの被災者のみなさんのお話をうかがうと、失ってしまったものには代えられないけれど、変わらないつながり、新しいつながりを感じることによって、自分の気持ちを見つめなおし、明日へと目を向けていくことができるようになったという声も多くきかれます。

「こころフォト」を通した出会いが、新しいつながりとなって、被災者のみなさんの明日を照らす光となることに思いをはせています。

木村 玲欧