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吉田信さん(よしだ・まこと/当時74歳)福島県川内村

原発事故の後、故郷に帰れないまま避難先で病で亡くなりました。

「こころフォト」ニュースリポート

  • 2月15日放送

    思い 引き継ぐ牧場に

    (おはよう日本)

震災から9年を迎えて

次男の妻・睦美さんからのメッセージ

とうちゃんへ
①まず、とうちゃんから預かった羊とヤギはすべてそちらに行きました。
アニマルフォレストという団体をつくって、一緒に見守ってくれる人がたくさんいたから、殺処分しないで生かすことができたのです。大変かもしれないけど、羊のお師匠さんもそちらに行ったので大丈夫だよね。

②次に、移の牧場は観光もできるようにどんどん整備しています。富岡の大倉山から、見ノ坂の羊、川内の湯、そば…と観光ルートを考えていたと聞きました。まだそこまでは行かないけど、力を貸してくれる友人のおかげで、イベントは行っています。もちろん、とうちゃんが飼っていた動物もいます。大きなウサギとか。

③そうそう、羊ブームがまた来ていて、というか羊を飼う人が増えてきました。残念ながら市場は復活しないけど、家畜商の資格を取ったので売ったり買ったりはできています。

④最後に。のどかだった貝ノ坂地区の田畑、ほとんどソーラーパネルになってしまいました。保管3年で運ぶと約束していた汚染廃棄物もいまごろようやく運んでいます。工事も手順もひどくて、現場監督をやっていたとうちゃんなら怒るようなこともたくさんあります。地域のひとが困らないように、そういう是正はすべてかっつぁんがやっているので、ご心配なく。あ、かあちゃんは元気です。

震災から7年を迎えて

息子の妻・睦美さんからのメッセージ

とうちゃんへ あれから7年経ったと思うと、あっという間だったという気がします。

もう知っていると思いますが、まず、とうちゃんが遺していった羊や山羊はまだ元気に生きています。
昨年は、羊たちが富岡町へ除草隊として働きに行きました。
評判もよく、自分たちの特技を行かせる仕事に就けました。

もうひとつは、田村市の移地区(うつし)に羊と鶏の牧場を再建しました。
とうちゃんが教えてくれた羊の仕事を、これからやっていこうと思ったからです。

まだ始まったばかりですが、見守っていてくれれば嬉しいです。

息子の妻、睦美さんからのメッセージ

原発災害のために、退院しても川内の家へ連れて行ってあげることが出来なくてごめんなさい。
病床についても、羊と山羊のことを忘れたことがありませんでしたね。
今思えば、とうちゃんの羊と山羊を守ってきたからこそ、必要以上に絶望することなく前を向いて歩いてこられたのだと思います。
とうちゃんが愛した貝ノ坂地区も、羊も山羊もずっと守ってゆきます。安心して下さい。

吉田信さんへのメッセージ・写真を募集しています。

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