NHK高校講座

社会と情報

Eテレ 隔週 金曜日 午前10:20〜10:40
※この番組は、前年度の再放送です。

社会と情報

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今回の学習

第16回 社会における情報システム

情報システム

  • 専修大学准教授 望月 俊男
学習ポイント学習ポイント

情報システム

  • 緑川光さん
  • 松田好花さん

第16回のテーマは「情報システム」。
司会は緑川光さん、一緒に学んでいくのは日向坂46の松田好花さんです。

くらしのシステム 今と昔
  • 自動改札機

今、当たり前にあるシステムが、昔はどうだったのか知っていますか?
まずは、駅の自動改札機。

  • 有人改札
  • 昔は切符を切っていた

松田さん 「有人改札…、人が立ってますよ。これ、ちぎってるんじゃないですか?」

緑川さん 「僕の知ってる範囲では、これですね(画像・右)。ハサミみたいなやつで、ちょっと切るんですよ。」

  • 発車時刻案内板
  • 昔の発車時刻案内板

緑川さん 「ちなみに、駅のホームで見かける発車案内。これも手でやってたみたいですよ。」

  • 図書館の蔵書検索機
  • 目録カード

続いては、図書館の蔵書検索機です。
昔はどうだったのでしょうか。

緑川さん 「これはですね、目録カード。本の名前や請求番号、ページ数や著者名など、今だと本の詳細ページに書かれているようなことが、カードに書かれていたんだって。」

さまざまな情報システム
  • 計算機能

コンピュータを利用した、さまざまな情報システムを見てみましょう。

駅の自動改札機では、ICカードに記録されている入場・出場の場所をもとに、瞬時に運賃の計算をしています。
この計算機能は、コンピュータを利用したシステムのひとつです。

  • データ保存・管理機能
  • 通信機能

図書館の蔵書検索機は、データを保存・管理するという、コンピュータの機能が利用されています。(画像・左)
以前の目録カードに書かれていた情報や、それ以上の膨大な情報を保管し、簡単に検索することができます。
自治体や大学の図書館で、ほかの図書館の蔵書検索ができるのは、それぞれの図書館のデータベースをつなぐ通信機能のはたらきです。(画像・右)

  • 制御機能

もうひとつ、ロボットの制御や工場の自動運転などを担っているのは、コンピュータを制御に利用したシステムです。
人間では難しい、とても細かい作業や高速・長時間の作業などを可能にしています。

このように、情報を保存・管理し、利用、あるいは制御するしくみを、情報システムといいます。
さまざまな機能を担うコンピュータが、ネットワークを使って連携することで、より高度で、大規模な情報システムとなるのです。

情報システムの連携
  • カーナビでは多くのシステムが連携している

例えば、カーナビ。
地図を表示して、現在地から目的地までの経路案内を行うために、実に多くのシステムが連携しています。

GPSは、人工衛星を利用して、現在地を測定。
VICSというシステムは、渋滞などの道路交通情報を車に送っています。
カーナビの端末に地図が表示できたり、地図情報のデータベースを利用して、簡単に目的地を検索できたりするのは、地理情報システムの機能です。

こうした利便性の高い、大規模な情報システムが実現可能になったのは、コンピュータや通信技術の発達によって、膨大な情報を瞬時に扱えるようになったことによるのです。

  • 望月俊男
  • ネットシッピングでの情報の連携

情報システムについて、望月俊男先生に教えていただきます。

望月先生 「日常生活のいろいろなところにつながっているので、ふだん気がつきにくいところもあるかもしれませんね。もうひとつ、身近な例を取り上げてみたいと思います。」

ネットショッピングでは、それぞれの間でどのようなやりとりがされているのでしょうか。

いろいろな形で情報がやりとりされている

まず、ユーザーが「注文」します。
ショップには個人情報や注文内容が送られ、クレジットカードの場合には金融機関に「支払い指示」をします。
すると、ショップからは在庫や購入の「確認・通知」がユーザーに届きます。

その後、ショップが倉庫に「出荷指示」をして、倉庫から商品が「出荷」されます。
配送業者がユーザーに「配送」し、金融機関がショップに「支払い」ます。

望月先生 「注文したときの住所とかも、こうやって回ってやってくる、という形でショッピングは成り立っていますね。いろんな形で瞬時に情報がやりとりされていますね。」

発達する情報システム
  • 戸谷公人さん
  • IoT住宅のモデルハウス

情報システムは日々発達し、私たちの生活に変化をもたらしています。
戸谷公人さんが訪れたのは、IoT住宅。
IoT技術の最先端を見ることができるモデルハウスです。

  • 井下晴可さん
  • IoT

井下晴可さんにお話を伺いました。

戸谷さん 「IoT住宅っていうのは、どういうものなんですか?」

井下さん 「IoTっていうものが略語になっているんですけれども、インターネット・オブ・シングスの頭文字をとっておりまして、その言葉の通り、モノがインターネットとつながっている、っていうものが広く取り込まれている住宅になります。」

IoT(Internet of Things)、日本語では「モノのインターネット」。
パソコンやスマートフォンだけでなく、家電製品や自動車、あらゆる「モノ」をネットワークでつなげる技術です。

  • シーン制御
  • シャッターや照明をまとめて設定する

この家では、照明器具やエアコンなど、さまざまな設備が、Wi−Fiネットワークでつながり、ひとつの端末で操作できるんです。

井下さん 「シーン制御っていうものがあるんですけれども、例えば“おでかけ”っていうものを選んで、“シャッターは閉めます”“照明は消します”、ここで全部まとめて開始を押すと、いっぺんに“したい環境”にできます。」

複数の設備の設定をボタンひとつで操作できるので、消し忘れなどを防ぐことができます。

これまでも、設備や家電製品のリモコン操作はできましたが、IoT技術が応用されることで、「時間や状況に応じて自動で操作してくれる」「複数の設備や家電製品が連動する」といったことが可能になります。

  • ネットを通じてレシピが提案される

例えば、料理のシーン。
連携している外部のレシピサイトから、ネットを通じて日々レシピが提案されます。
レシピを選んで調理を始めると、その料理で使うIHコンロやオーブンレンジなどに、料理に合った調理時間や火力などの情報も、ネットで送ってくれます。

  • 自宅の宅配ボックスにIoTを活用

また、モノを操作するだけでなく、モノから情報を得ることもできます。

自宅の宅配ボックスにIoTを活用すると、荷物が届いたことをスマホに知らせてくれます。
さらに、利用者が帰宅すると、それを感知した宅配ボックスが再度通知してくれるのです。
これだと、荷物の受け取り忘れが解消されますね。

  • 防災モード

そして、少し先の未来では、IoTは命や生活を守る役割を担うことも目指しています。

井下さん 「防災モードっていうのがありまして、気象情報と連動して(設備を)動かしてくれます。」

台風などの気象情報に応じてシャッターを閉じたり、蓄電システムを動かしたり、家が自動で災害に備える機能も開発中なんだそうです。

インターネットにつながることで、家の機能も、まるでスマホのようにどんどんアップデートして、進化させていくことができます。

情報社会の信頼性
  • バックアップをとる

望月先生 「情報システムというのは、安定して運用できるように、さまざまな工夫がなされているんですけれども、トラブルを未然に防ぐ工夫だけではなくて、起きたトラブルをどうするかというところでも、工夫が必要ですね。」

システムトラブルに備えるには、あらゆる状況を想定しなければなりません。
例えば、私たちがスマホやパソコンを利用している中で、データのバックアップをとることも、万が一のトラブルに備える対策のひとつです。

  • フールプルーフ
  • フェイルセーフ

トラブルの原因は、災害や故障、プログラムのエラーなどさまざまですが、人によるミスもありえます。
例えば、保存せずにファイルを閉じようとしたときに「保存しなくていいですか?」と確認されたり、削除したファイルなどがごみ箱の中に残っていて、取り戻すことができたりする機能。
これは、「そもそも人はミスをするもの」という前提で、ミスを想定して発生しないような設計、フールプルーフといいます。

また、万が一、ミスやトラブルが起こっても、安全の確保を優先し危険が生じないような設計にすることを、フェイルセーフといいます。

  • 列車が通過するとき以外は常に赤信号を表示

大勢の乗客の命が関わる列車の運行には、安全を最優先とする設計が施されています。

列車の走行を検知する装置が故障したときは、線路上に列車がいなくても、信号に「赤」を表示するよう設計されていたり、列車のブレーキに故障が発生した場合は、自動的に非常ブレーキがかかるように設計されています。

情報システムは、あらゆる状況を想定して、それぞれに対して安全性が確保できるよう設計され、信頼性が高められるよう工夫が凝らされています。

  • すべての改札機を開放

そして、起きてしまったトラブルへの対処についても、考えておかなければなりません。

2007年、首都圏で自動改札機が停止する、大規模なトラブルが発生しました。
朝、列車の運行開始にあたり自動改札機が立ち上がらず、16の鉄道会社、662駅にわたって停止したまま。
数時間後に迎える、通勤ラッシュの混乱を避けるため行ったのは、正常に起動している改札機も含めた、全ての改札機の開放です。

影響を受けたのは約260万人。
多少の混乱はあったものの、電車が止まることはありませんでした。

望月先生 「朝通勤をする人たちが、そのままストップっていうことにならなかったのが、すごく大切なことだと思うんですよね。それによって、多くの会社は普通の生活ができたわけで。ひとつのシステムが止まっても、社会システム全体としてうまく動くように、全体を止めないようにするっていうことが大切になってきますよね。」

  • 昔にどうやっていたかを知るのはとても大切

緑川さん 「情報システムが発達して、便利な生活を手に入れることで、人は何を手に入れているんだろうね。」

松田さん 「ぱぱっと済ませられるということは、時間に余裕ができる。時間を手に入れられて、いろんなことができるようになっているのかな、と思います。」

望月先生 「昔にどうやっていたかを知る、ということは非常に大切ですね。情報システムがどういうふうに進化していっても、前にどんなふうにやっていたかを知っておいて、それで“便利”が“不便”になった場合にでも、自分たちで適宜対応できるようにしておく。そういう準備をしておくことが大切なことだと思います。」

松田さん 「便利だからといってあまりにも頼り切りすぎると、いざというときに困っちゃうってことですね。」


それでは次回もお楽しみに!

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