Eテレ 隔週 木曜日 午後2:00〜2:20
※この番組は、前年度の再放送です。
Eテレ 隔週 木曜日 午後2:00〜2:20
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第11回 情報化の影響と課題


第11回のテーマは「誰でも表現者発信者」。
司会は緑川光さん、一緒に学んでいくのは日向坂46の松田好花さんです。
少年時代はテレビ、ラジオ、映画が娯楽の中心だったという緑川さん。
一方、松田さんはテレビ、ラジオ、YouTube、映画、ゲーム。
ラジオや映画、ゲームもスマートフォンで視聴したり、遊んでいるそうです。
今やスマートフォンで、さまざまな娯楽と接することができる時代。
さらに、受け取るだけではなく「情報の発信者」になることも可能です。


ディジタル技術の発達によってさまざまな表現活動が可能になっています。
画像や動画はコンピュータを使って作成することが可能になりました。
そのひとつがコンピュータグラフィックス(CG)です。
CGは映像表現の新たな可能性を切り開きました。
この番組のオープニングタイトルの映像でもCGの技術が使われています。


そして、バーチャルリアリティ(VR)、仮想現実。
人工的に構築された現実感を体験することができます。
現地に行かなくても、旅をしているような疑似体験ができるようになりました。
ARは拡張現実という意味です。
ARの技術を使うことで、カメラなどを通じて見ている現実の一部を改変することができます。
このアプリはハザードマップをもとに、想定される津波の水位を現地の映像と重ね合わせて、表現しています。


このようなディジタル技術の発達によって、表現や制作の方法が大きく変わったジャンルがあります。
それは、アニメ。
アニメの制作はディジタル技術の発達によって、大きく変わりました。
昔のアニメの制作は、手書きの絵(画像・右)を何枚も重ねて動きを表現していました。
それがCGアニメになると、さまざまな映像表現が可能になりました。


コンピュータを駆使した表現はさらに進化をしています。
モーションキャプチャ技術(画像・左)を使って、人の動きと連動して、3次元のキャラクターを動かすことができるようになりました。
この技術をさらに進化させて開発されたのが「バーチャルユーチューバー」、通称「Vチューバー」です。
人気キャラクターやVチューバー専用のアプリも続々登場しています。


Vチューバーのアプリの開発に携わるなど、VRやARの最先端技術を研究している白井暁彦さん。
「今の時代はスマホがあれば、みんなVチューバ−になれる」という白井さん。
今回は簡単にVチューバーの体験ができる専用アプリを使ってみます。
まずVチューバーになる準備として、アバターを実際に動かします。
VチューバーのV、「バーチャル」とは、「仮想」という意味です。
「仮想現実」の世界で「なりたい自分」、「もうひとりの自分」を疑似体験することができるのです。


まず髪型や服装などを自分好みにカスタマイズします。
白井さん 「よく考えて、キャラ設計をしていきたいと思います。なりたい自分というのがどの世界に生きているどういう人で、名前、年齢、挨拶とか。」
緑川さんが作ったのは、みどりちゃんというキャラクター。
かわいいものや緑のものが好きで、自分がいちばんかわいいと思っているというキャラ設定です。
緑川さん 「そして、語尾に“にゃん”とかつけちゃう。」
松田さんのキャラクターの設定は、ぶりっこなバーチャルアイドルです。
名前はひなたピョン。
設定が完了したアバター同士で会話をしてみましょう。
白井さん 「実際に配信するときには気をつけることがあります。まず、言ってはならないことというのは、バーチャルの世界でも言ってはならないです。例えば個人情報とか、誰かのことが嫌いだとか、そういう話はしないほうがいいと思います。」


緑川さんと松田さんのVチューバー体験を、白井さんの同僚に見ていただきました。
緑川さん 「もっと過剰にカメラのアングルとか遊んで盛り上げたいなって欲がでてきました。もっと演出したいなって。」
松田さん 「一緒に配信をつくっている感があった。」
白井さん 「例えばラジオ番組とかだったら、ラジオの波にのせてしゃべっているので一方通行なんですけれども、リアクションが返ってくる。これはインタラクティブ(双方向)というんです。新しい世代の通信、それから配信、発信といった関係になっています。」


ディジタル機器の普及や発達によって市民からの情報発信も盛んになってきています。
「記憶の解凍」と名付けられたアプリでは、アプリを開くと広島の航空写真にカラー化された原爆投下前の広島の風景や、人々の写真が表示されます。
写真をタップすると白黒写真がゆっくりとカラー写真に変わっていきます。
また写真の詳しい解説も読むことができます。
実際に平和記念公園でこのアプリを使って風景を見ると、写真が撮影された場所までの距離や方角など、道案内もしてくれます。
ARの技術で、現実の風景とともにかつての広島の写真を見ることができるのです(画像・右)。


このアプリは東京大学大学院の研究チームと、広島の高校生、庭田杏珠さんとのコラボレーションによって作られました。
庭田さんは、被爆体験、戦争体験の聞き取りをする活動の中で井(はまい)徳三さんと出会いました。
そして井さんが戦前の写真を数多く持っていることを知りました。


そこでAI人工知能を使った白黒写真のカラー化の技術を渡邉英徳教授が指導、アドバイスすることで「記憶の解凍」のアプリが生まれました。
庭田さん 「カラーにした時に、自分たちと変わらない暮らしがあったんだなっていうのが伝わってきて、それが原爆で一瞬にして奪われたってことを感じてもらいやすいなと思って。」
渡邉さん 「貴重な記憶を持っている世代の人たちと、これから社会を背負っていく若い人たちの仲立ちをして、どんなふうに若い世代が受け継いでいうのかっていうのを技術やデザインでサポートするっていうのが僕の役割だと思っているので。なので10代の方とコラボするっていうのはとても意味があると思っています。」


白黒写真のカラー化の手順です。
まず200万枚以上のカラー写真のデータを読み込み学習したAIを使って、自動的に色付けを行います(画像・左)。
AIを使って判別できない色は資料などを参考にしながら、手動で色を付けていきます(画像・右)。


色付けしたあとは、写真を提供してくれた方と対話を重ねながら、色の補正をしていきます。
吉川さん 「ものすごい思い出っていうのはないと思うんですけれど、ただ鯉のぼりがあがったっていう自慢をしとったような気がするのは残っとりますね。周りにありませんでしたから。」
聞き取った話も、写真とともに文章にまとめてアプリで見られるようにしていきます。
最新のディジタル技術によって、「解凍」される広島の記憶。
庭田さんたちはこれからも、写真のカラー化を通じて記憶を掘り起こし、伝えていきたいと考えています。
渡邉さん 「庭田さんだからこそ、おひとりおひとりの心と共鳴し合って得られた深い記憶が記録された場になっていると考えることができます。それは我々市民だからこそできるアプローチだと思います。自分たちが発信したいもの、出来事、ストーリーを、“どの技術を使えば人々に発信するために使えるんだろう”っていうことを考えていれば、適切な技術を使って、誰でも発信できることがすぐに実感できると思います。」


今回は藤川大祐先生に教わります。
藤川先生 「少し前だったら、文字で書く、声でしゃべる、動画を撮る、くらいしかなかったんですけれども、今はVチューバーで違うキャラクターとして配信ができたり、AIを使ってアプリをつくるっていうのがありましたけど、アプリは使うものから自分たちで作るものに変わってきてますよね。」
藤川先生 「いろいろなやり方が出てきていますので、想像力を働かせて自分なりの方法を探して、伝えたいことを伝えるっていうことをやってほしいですね。その中で結局は自分の人間性みたいなものも伝わっていくと思いますので、ふだんから自分を磨いていろんな発想で配信してほしいなって思います。」
それでは次回もお楽しみに!
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