NHK高校講座

社会と情報

Eテレ 隔週 木曜日 午後2:00〜2:20
※この番組は、前年度の再放送です。

社会と情報

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今回の学習

第10回 ネットワークとコミュニケーション

メディアの発達

  • 専修大学准教授 望月 俊男
学習ポイント学習ポイント

メディアの発達

  • 緑川光さん
  • 松田好花さん

第10回のテーマは「メディアの発達」。
司会は緑川光さん、一緒に学んでいくのは日向坂46の松田好花さんです。

緑川さん 「インターネットが普及する前のメディアといえば、テレビや新聞などのマスメディア、もしくは手紙や電話など、きわめてクローズなメディアです。」

松田さん 「今はインターネットを使えば、個人でも気軽に発信することができますね。」

どんなメディアを使う?
  • 遠くの人とも写真共有できる、ソーシャルメディア
  • ハッシュタグで検索

では、ここで質問です。

こんなとき、どのメディアを使う?
1.旅行先でとてもステキな景色を発見!みんなにも見てほしい

松田さん 「写真ですから…、ブログとかですかね。」

緑川さん 「ツイッターなりインスタなり、画像をアップできるようなところを使うってことですね。」


2.次の旅行先ではどこのスイーツのお店が人気?

松田さん 「これはもうインターネットで『スイーツ 人気』ですかね。AND検索。」

緑川さん 「SNSを使って調べたりするっていう話もあるんですけど、そういうことってします?」

松田さん 「ハッシュタグで、例えばスイーツって調べたらいろいろ出てくるんだと思います。(画像・右)」

緑川さん 「天気予報で、“今日どんな気温なのかな?”と思って、外に出てる人がそういうふうにつぶやいてないかなーって思って『寒い』って検索すると、“めちゃめちゃ寒い!”ってつぶやいてたりするのを見て、“そうだよね”“じゃあ上着持っていこうかな”、とか。そういう調べ方をしたりするかな。電車の遅延とかね。」

広告とSNS
  • 池田耕治さん

みなさんは洋服や雑貨など欲しいものがあるとき、「どんな商品があるのか」「値段はいくらか」など、インターネットを使って調べたりしませんか?

そうした商品に関する情報をインターネットで発信している、デジタルマーケティングの会社を訪ねました。
こちらの会社は、銀行やアパレルなど幅広い業種のWebサイトやデジタル広告を作っています。
池田耕治さんにお話を伺いました。

池田さん 「昔ですと、広告ってテレビ広告とかラジオ、新聞といったところで、広告を出すのもハードルがあったというか。今はデジタル上ですので、広告をちょっと出したいなと思ったら、すぐ出せるんですね。その分、より消費者に届けやすくはなりました。ただその反面、みんなが広告を出しやすくなったので情報があふれてしまって、その中でユーザ側にきちんと見つけてもらうには工夫が必要なのかなとは思いますね。」

  • インターネット普及前
  • インターネットが登場すると

インターネットが普及する前は、テレビや新聞などマスメディアが広告の主流。
繰り返し目につくよう広告を出し、話題をつくることで購入へとつなげていました。

それが、インターネットが広がり始めると、広告に「詳しくは○○(まるまる)で検索!」といった表示が登場します。
商品に興味をもった消費者は自らインターネットで検索し、比較サイトやブログなどでじっくり検討する、という行動をとるようになります。

時間やスペースに限りのあるマスメディアの広告から、いかにインターネット上に誘導するかが重要になったのです。

  • 自分の友達の誰々がいいねをしましたというかたちで広告が出ることがある

さらに、SNSの普及によって消費行動は根本から変化しました。
ユーザが商品について自ら検索しなくても、SNSを利用していればそれにひもづいた情報が次々と入ってくるようになっているのが、SNS広告です。

池田さん 「自分と何かしらつながりのある人からのおすすめみたいなかたちで広告を見るケースもあるので、一方的にテレビで広告を出されるのと違って、身近に感じられるんじゃないかと思います。」

商品を知る、比較・検討する、感想を共有する。
あらゆる消費行動に、SNSが大きな影響を与えるようになっているのです。

インターネットのメディア
  • 望月俊男先生

今回教えてくださるのは、望月俊男先生です。

インターネットの主要なメディア

まず、インターネットの主要なメディアを確認してみましょう。

望月先生 「これはどんな人とやりとりするかとか、どんな目的でそのメディアを使うかみたいなことでちょっと分類したんですね。横の軸は、左が『身近な人』、自分の友達や知ってる人とやりとりするためのメディア。右側は『遠くの人』って書いてありますけど、知らない人ともやりとりすることができるメディアですね。上下の軸は、『人と人との関係』ってありますけども、いろんな人とつながるというところに重点があるもので、『情報共有』と下の方にありますけども、こちらは特定の、例えばグルメだったらグルメのクチコミサイトとかグルメの掲示板とか旅行のブログとか、トピックに焦点を当てたサイトですね。」

  • ソーシャルメディア
  • SNS

望月先生 「インターネットを使って誰でも情報発信・情報交換をしたり、あるいはそれを情報共有して一緒になって新しい情報を作り上げたりするメディアを、ソーシャルメディアといいます。SNSソーシャルネットワーキングサービスというのがありますけども、どちらかというとこの上の方(『人と人との関係』)のコミュニケーションを目的としたサービスのことです。」

松田さん 「ソーシャルネットワーキングサービスと、ソーシャルメディアは別ってことですか?」

望月先生 「ソーシャルメディアは全体。その中でも特に人と人をつなぐようなメディアのことをソーシャルネットワーキングサービスといいますね。」

ソーシャルメディアの力
  • オンライン百科事典

ソーシャルメディアでたくさんの人や情報がつながるようになって、飲食店や化粧品、家電製品の評価など、あらゆる分野でクチコミサイトができ、顔も名前も知らない人のリアルな声を参考にすることができるようになりました。
また、ウィキといったオンラインの百科事典のように、多数の人が共同で情報を作り上げることができるのもインターネットならではです。

そして、クラウドファンディングを使って夢をかなえている人たちもいます。
英語でクラウドは「群集」、ファンディングは「資金調達」。
何かプロジェクトを行いたい人が、ネットワークを利用して、活動の目的や思いなどを広く呼びかけます。
そして、それに共感した人が資金提供という形で支援するしくみです。

ソーシャルメディアは、人と人との関係だけでなく、社会のありようにも大きな影響をおよぼしています。

匿名性と記録性
  • IPアドレス、アクセスしたページ、日時が記録される

緑川さん 「ソーシャルメディアは便利で楽しい反面、個人の手には負えない問題もありますよね?」

松田さん 「一度投稿してしまったら、もう消すことができないというのを聞いたことがあります。」

望月先生 「そうですね。コンビニで何かあったり、アルバイトの時に何かあったみたいな事件が報道されたり、見つかったりすることがよくありますね。」

緑川さん 「炎上しちゃったりすると、身元ってばれちゃうもんですか?」

望月先生 「そうですね。どうやって特定するかっていうと、警察などが使う手段としてはIPアドレスです。発信元のIPアドレスは、記録に残るようになっています。発信元になっているサーバやプロバイダ、それから書き込み先のサーバに発信元のIPアドレスやアクセスしたページ、あるいはアクセスした年月日や時間というところまで記録されます。ですから、そういったものを調べるとどこから発信されたのかといったことがわかるわけですね。」

  • プロバイダ責任制限法

望月先生 「プロバイダ責任制限法っていうのがあります。プロバイダというのはウェブサイトとかインターネットに接続するサービスを提供している会社のことです。インターネットの書き込みには、基本的には表現の自由があるので、あまり削除したりするものはではないんですが、人権を侵害したりとか、誹謗(ひぼう)中傷したりとか、名誉をおとしめるような、そういったときには、運営者が削除するということが、必要になりますね。」

緑川さん 「完全に匿名というのは難しいんですね。」

望月先生 「ただこれは、犯罪につながることとか、人を傷つけたとき、あるいは人の名誉を傷つけたときに起こるもので、ふだんの情報発信に対して、いちいちそれがなされるわけでありません。こういった記録が残ることを利用することで、私たちにとって便利な生活を実現するという、そういう使い方もあるんですね。」

アクセス記録の活用
  • 佐藤正啓さん
  • 望月ありささん

ショッピングサイトで見かける「あなたへのおすすめ」。
これは、アクセス記録を利用した機能です。
佐藤正啓さんと望月ありささんにお話を伺います。

佐藤さん 「レコメンド機能と呼ばれておりまして、ユーザの方々がこれまでに見たページの内容から、それに近しい商品などを紹介するようなサイトであったり、その商品を前に買ったことがある別の方がどういう商品を買っていたか、というような情報を集めて、それに近いものを表示させるというしくみが一般的なレコメンド機能となっております。」

ということは、何を買ったかはもちろん、表示したページも記録されているということでしょうか。

望月さん 「そうですね、あとは頻度ですとか。そのサイトに月に1回なのか週に1回なのか毎日なのか、どれくらいの頻度で訪れているのか、どこのページを経由したのかとか、あとはどんな検索キーワードで来たのか、いろいろな情報がとれます。」

  • 関連した広告が出てくる
  • ヒートマップ

何度も同じキーワードで検索していると、それに関連した広告が出てきます(画像・左)。
これも、アクセス記録を利用した機能です。

佐藤さん 「ページを表示するというほかにも、ページの中のどこをクリックしたか、ということですとか、どれだけスクロールしてページを読んだか、という情報などもとれるようになっています。」

ヒートマップは、ページのどこがたくさんクリックされているのか、どこまでスクロールされているのかを色で表示したものです(画像・右)。
このような分析をもとにユーザの行動を把握し、ページの改善に役立てています。

佐藤さん 「ユーザの方がどこで興味をそがれて離脱したか、もしくは買っているユーザの方がどこに注目して商品を購入したか、というところが見れるようになっています。」

望月さん 「ページを作るときに、“こういうターゲットのユーザで、こういう人たちに届けばいいな”っていうのはあるんですが、思っていたところで購入してくれなかったり、そういうことも多々あるので、作ってみて、また解析して、の繰り返しになっていきます。」

  • 改善前のページ
  • 杉本務さん

ではアクセス記録を分析して、どのようにWebサイトを改善しているのか、大手ショッピングサイトの会社を訪ねました。

まず、改善する前のページを見てみましょう(画像・左)。
インターネットならではのレビュー機能がついていますが、商品ページにはレビューの総合得点と件数だけが表示され、ここをクリックすることでレビューページに移動する、というしくみでした。
杉本務さんにお話を伺います。

杉本さん 「(データから)レビュー見たあとのほうが購買確率上がるというのがわかっているので、スクロールの流れで自然にレビューが(目に)入ってきて、“いい商品だよね”っていうのがわかって、購買のボタンがある、みたいな状態にして。今まではレビューが別ページで、それを商品ページに埋め込んでみんなに見えるような形にする、みたいな改善を行っています。」

  • 見たい商品情報だけを開いて見る
  • 必要な人だけに開く機能にした

ほかには、ページから離れるユーザの数などから、見たい商品情報だけを開いて見る機能もつけました。

杉本さん 「商品の大枠がどういうものかって、初めに出てくる写真と価格である程度知れます。商品情報が長くなるよりも、必要な人だけに開くみたいな機能にしてあげて、なるべくそうじゃなければ別の商品はどうですかって訴求がうまくできるような形にしています。」

杉本さん 「データから見えてくる部分っていうのは、“こうだろう”というところまでしか分析できないんですね。ユーザがどういうことを思ってそういう行動をしているのかっていうのは、クリックの数だったりっていうのでは見えてこないので、最終的にはデータから見えた仮説をユーザに提案させていただいて、実際使っていただいて、どちらがいいのかっていうのを常にやっています。」

利便性と安全性の管理
  • ユーザの識別情報やアクセス履歴などを記録

「ちょっと見透かされてるようで怖い」という緑川さん。

望月先生 「万が一問題が起こったときには、いろんなアクセス記録をもとにして対応することが必要なので、記録が残ること自体はすごく大切なんですね。ただ、そういった情報のやりとりを少し制限したいというふうに設定することができます。具体的にはクッキーという機能です。」

クッキーとは、ユーザのコンピュータとWebサーバがやりとりする情報のこと。
ユーザを識別するデータや、最後にサイトを訪れた日時などを記録しておくことで、もう一度アクセスしたときに、クッキーの情報を生かして、スムーズにサービスを受けることができます。

クッキーは利用しない設定にすることもできます。
ただ、Webを見るときにパスワードを入力しなくても別のサービスが使えるといった機能を提供することもあり、クッキーを利用しない場合は不便になることもあります。

  • クッキーの設定

望月先生 「“便利さも大事だけど、やっぱりこの情報はちょっとな…”と思ったときには、クッキーを設定の画面で検索してもらって、まったく使わないようにするには、その中の“保存と読み取りを許可する”となっているのを、推奨となっていますけど、切ってしまうとブロック中という表示に変わります(画像)。こうすると、“クッキーのやりとりをしませんよ”ということになります。このようにして、自分の閲覧したWebページのデータのやりとりについて、自分で管理するのが大事ですね。」


それでは次回もお楽しみに!

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