Eテレ 毎週 月曜日 午前10:30〜10:50
※この番組は、前年度の再放送です。
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第30回 図形と計量(三角比)
数学Tの時間です!
この番組のMCはみみずくのアイク、みなさんといっしょに学習していくのは、藤本ばんびさん、酒井蒼澄(あすみ)さんの2人です。
そして数学を分かりやすく教えてくれるのは、湯浅弘一先生です。
今日も数学を楽しみましょう!
アイク「突然だけど、ボクは正面と横顔、どっちがかっこいいと思う?」
ばんび「どこからもそんなに変わんない!」
先生「大抵の立体的なものは、どの角度から見るかでけっこうイメージが変わってくるよね」
今回のテーマは「立体図形への応用」です!
あすみ「立体図形、私苦手なやつだ」
ばんび「ばんびも好きじゃない」
先生「大丈夫です。今回は、特別にスペシャルツールをご用意していますので、必ずできるようになります」
はじめに、問題に挑戦です。
1辺の長さ2の正四面体ABCDにおいて、底面の△BCDの面積を求めなさい。
まず、正四面体の特徴を整理しておきましょう。
・4枚の正三角形でできている。
・すべての辺の長さは等しい。
ばんびさんは、三角形の面積の公式を使いました。
辺の長さと、はさむ角60°のsinの値を代入します。
(1/2)×2×2×(√3/2)を計算して、 √3と求まりました。
あすみさんは、三角形を半分にして考えました。
半分にした三角形に、1:2:√3を当てはめて高さを求め、面積を計算しました。
答えは√3です。
2人とも正解です。
次の問題です。
1辺の長さが2の正四面体ABCDの体積を求めなさい。
四角錐や円錐のような、先がとがった立体の体積は 「底面積×高さ×1/3」で求めることができました。
正四面体は、三角錐の一種です。
ということは、先ほど底面積を求めたので、高さが分かれば体積が求められます。
では、どうやったら高さが分かるでしょうか。
ここでスペシャルツール「正四面体の模型」の登場です。
正四面体ABCDを、CDの中点MとAを通る線で切ってみましょう。
この正四面体の高さは、底面に垂直におろした垂線AHの長さです。
それでは高さを求めてみましょう。
2人とも、三角形ABHに対して、辺の長さの比を1:2:√3と考えました。
「∠ABH=60°、∠BAH=30°の直角三角形になる」と思ったようです。
では、「正四面体の模型」で確認してみましょう。
先生「ACが2、ADも2だよね。ということは三角形ACDの頂点Aから辺CDの中点に引いた線の長さは、2に見えます?」
2人「見えません」
三角形ACDの頂点Aから辺CDの中点に引いた線で正四面体を開いた断面の形を見てみると(上の右の画像)、頂点Aから辺CDの中点に引いた線の長さは2ではないことが分かります。
つまり、断面の三角形は正三角形ではありませんでした。
このように、立体図形は切った断面をイメージすると考えやすくなります。
三角形AMDの3辺の長さの比は、1:2:√3。
これを正四面体の断面図で見てみましょう(上の右の画像)。
AMの長さは√3、ABの長さは2です。
では、高さAHは、どうすれば求められるでしょうか?
もう一度挑戦です。
AM=BM=√3であり、三角形ABMの3辺の長さは分かっています。
そこで、あすみさんは余弦定理に3辺の値を代入しました。
上の画像のように計算して、cosBは1/√3と求まりました。
続いて、cosBの値からsinBを求めます。
sinとcosの関係式「sin2B+cos2B=1」を用いて計算します。
sinBは正の値なので、√(2/3)と求まりました。
そして、sinは対辺/斜辺なので、h/2=√(2/3)。
これを計算し、h=2√(2/3)と求まりました。
ばんびさんも、余弦定理を使い、あすみさんと同じ答えを導き出しました。
ばんびさんは、最後に出た答えを有理化しようとしましたが、途中であきらめて、同じ値を2回書いてしまいました。
2√(2/3)を有理化すると、(2√6)/3になります。
これで、三角錐の高さが求まりました。
正四面体の底面積は先ほど求めたので、角錐、円錐の体積の公式 「底面積×高さ×1/3」を使って体積を求めます。
求めた底面積と高さを三角錐の体積を求める公式にあてはめ、体積は(2√2)/3と求められました。
ばんびさん、見事正解です!
あすみさんは、
(6√2)/9
と、約分を忘れてしまいました。
惜しかった!
ちょっと変わった立体図形があります。
縮尺を変えながら同じ形が無限に続いていく図形を「フラクタル」といいます。
この立体をある方向からのぞくと、上の右の画像のように、ほとんど隙間がなくなります。
そのため、ある角度からの光をさえぎりながら同時に風を通すことで、温度の上昇を防ぐことができます。
数学が意外なところで役立っているんですね。
次は、上の左の画像の問題に挑戦です。
ばんび「三角錐の高さを求めるってことか」
この問題も、模型を使って考えていきます。
あすみ「1つの側面だけ見ると、三角比が使えそう…」
さっそく問題を解いていきましょう。
あすみさんは、PHをxとおき、∠PBHが30°であることから、PBを2xとしました。
そして、2xの値を求めるために、 三角形PABに注目して正弦定理を使うことにしました。
上の画像のように、正弦定理からAB/sinP=PB/sinAと式をたて、分かっている値を代入します。
これを計算して、x=25√6と求まりました。
ばんびさんも△PABに注目しました。
角Aが60°、角Bが75°であることから、角Pは45°です。
あすみさんと同様に正弦定理を使って、
100/sin45°=PB/sin60°
と式をたて、
PB=50√6が求まりました。
次に、三角形PBHに三平方の定理をあてはめ、PH=25√6と求めました。
2人とも、見事正解です!
アイク「2人とも立体図形はどうだった?」
あすみ「練習を積み重ねていけば、立体を上手にイメージできるようになるのかな」
ばんび「立体図形を平面で見たり、かいたり、得意になるんですかね?」
湯浅先生「得意になりますよ。私が数学を教え始めたとき、立体図形を黒板にうまくかけなかったもん。数学はやればできます!」
それでは、次回もお楽しみに!
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