NHK高校講座

数学T

Eテレ 毎週 月曜日 午後2:10〜2:30
※この番組は、2021年度の新作です。

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今回の学習

第1回 数と式

ガイダンス、循環小数

  • 湘南工科大学特任教授/湘南工科大学附属高校教育顧問 湯浅 弘一
学習ポイント学習ポイント

ガイダンス、循環小数

高校講座 数学I始まります!
  • アイク
  • 湯浅先生

数学Iにようこそ!
この番組のMCは、みみずくのアイク
1年間 数学をわかりやすく教えてくれるのは、湯浅弘一先生です。

  • ばんび
  • あすみ

そして学ぶのは、藤本ばんびさん、酒井蒼澄(あすみ)さんの二人です。
みなさん、いっしょに楽しく学んでいきましょう!!

ラインナップ

この1年間、数学Iでどんなことを学ぶのか、ラインナップを見てみましょう。

「数と式」では方程式や不等式を解くための、前の段階の計算をやったりします。
「2次関数」は、中学校でやったあのグラフの形を覚えている人もいるのではないでしょうか。
「図形と計量」では三角比を学び、「データの分析」では情報化社会で役立つ、データの正しい読み取り方を学びます。


第1回目の今回は、ばんびさん、あすみさんの二人にクイズに挑戦してもらいます。

クイズ 5÷0=?
  • 5÷0=□

一問目は、「数と式」にちなんだクイズ!
5÷0=□
□に入る答えは何でしょう?

ばんび「0じゃない?」

あすみ「でもさ、5で割るからさ、5じゃない?」

実はこの問題の答えは、「計算ができない」が正解です。

高校の数学には、「0で割る計算はできない」というルールがあります。
なぜなら、ほかのルールと矛盾してしまうからです。

  • 0で割れるなら1/0と書ける
  • ところが0=1になってしまう

数学の計算には「0にどんな数をかけても0」というルールがあります。

仮に「0で割ってもいい」とすると、「1÷0」は「1/0」と表せます。

x=1/0としたとき、この式の両辺を0倍してみると…
左辺は0になりますが、右辺は分母を約分できるので、1になります。
すると、0=1・・・あれ!?

これでは、計算のルールが成り立たなくなります。
だから、「0で割る計算はできない」んです。


湯浅先生 「数学には、人間が長い時間をかけて作ってきたルールがあるわけです。そこに、うまくないルールがあると、矛盾が出てくる。だから、その矛盾がでないように、ルールができた、それが数学っていうものなんです」

クイズ 小数と分数
小数を分数で表そう

「数と式」にちなんでもう一問!
上の画像で並んでいる小数を、全部分数で表してみましょう。

「…」と書いているものは、同じ数字が続きます。
(エ)は、6が続き、(オ)は142857が続くという意味です。

  • 正解
  • 循環小数とは

正解は、左の画像のとおりです。

あすみさんは(エ)を1/8にしましたが、1/8は小数で表すと0.125なので割り切れます。

0.33333…や、0.16666…のように、ある桁(けた)から同じ数字の列が無限に繰り返される小数を「循環小数」といいます。
循環小数は、繰り返す数の上に点をつけて表します。0.142857…の場合は、1と7の上に点をつけます。
循環小数を分数で表すにはどうすればよいのでしょうか。

  • 循環小数をxとおくのがポイント
  • (2)−(1)=9x=3

例として、0.33333…と続く循環小数を分数にしてみましょう。

x=0.33333… これを(1)とします。

この式の両辺を10倍して
10x=3.33333… これを(2)とします。

式(2)から式(1)を引くと、
9x=3
x=1/3

と表すことができました。

  • 分数では表せない小数

ちなみに、分数では表せない小数もあります。
たとえば、円周率π や√2 のような、循環せずにずっと続く小数は、分数で表すことはできません。
このように小数には、分数で表せるものと、表せないものがあります。

小数の誕生
  • 400年前に使われていた小数の表し方
  • その20年後に現在の小数の表現が誕生

数字の間に、丸囲みの数字。
これは「19.178」という小数を、400年ほど前に使われていた方法で書き表したものです。
小数点以下に、一桁(けた)ずつ、番号をふっていました。

この書き方は、オランダ人数学者のシモン・ステヴィンが広めました。

ちなみに、今使われている小数点の誕生は、さらに20年ほど後にジョン・ネイピアという、スコットランドの貴族が考え出したと言われています。

クイズ 直角三角形
  • この三角形の面積は?
  • 円周角の定理で考えよう

さて後半戦は、「図形と計量」にちなんだクイズ!
上の三角形の面積は?

三角形の面積は、底辺×高さ×(1/2)だから…
10×6×(1/2)=30(cm
と答えたばんびさん。

しかし、実はこの直角三角形は存在しないんです。

円周角の定理では、直径を通る円周角は90°でした。
先ほどの三角形は直角があるので、直角三角形です。
∠ABCが90°ということは、ACが直径ということです。

  • 高さは5cmまでにしかならない

直径が10cmなので、高さはどんなに高くても円の半径の5cmにしかならないはずです。
円周角の定理を知っていたら、「存在しません」と答えて終わる問題でした。


湯浅先生 「公式や数学用語は、数学を難しくするもの、つまり敵ではない。数学の問題を解決するための味方つまり道具です。だからある程度きちんと覚えていたほうが良いことがたくさんあります

数学のきまりごと
  • 右辺と左辺
  • 項

あなたの味方「数学のきまりごと」を確認しましょう。
まずは、よく使う言葉から。

式の、イコールの右側を「右辺」、左側を「左辺」といいます。
そして、それぞれの符号を含めて区切ったものを「項」といいます。

項を、左辺から右辺、または右辺から左辺に、符号を変えて移動させることを「移項」といいます。

  • 文字式のルール

文字式のルールも確認しましょう。

かけ算のルールです。
その1 「記号×」は書かない
その2 同じ文字を何度もかけるときは、累乗を使う。

この2つのルールを使うと、
a×a×b×b×b という式も
=aabbb
=a
と書き、長い文字式を短くすることができます。

さらに、「文字をアルファベット順に並べる」というルールもあります。
この3つのルールに従って文字式を書くと、見やすくなって、ミスも発見しやすくなります。

図形を言葉で伝えよう
  • 図形1の説明

次も「図形と計量」からの問題です。
カードに書かれた図形を、言葉だけで伝えるゲームです。
まずは あすみさんから説明します。みなさんもいっしょに考えてみましょう!

【図形1】
四角形のうちの1つ
向かい合う角が等しい
向かい合う辺が平行
対角線が直角に交わる

  • 「ひし形」で正解!ですが…
  • この説明は正方形にも当てはまる

「ひし形」とばんびさんが答えました。
あすみさん、「正解です!」と大喜び、大成功かに思われましたが…

「ばんび 「最初 正方形かなって思ったんだけど、対角線が直角に交わるっていうから、”ひし型だ!”って…」

…あれ?二人とも、同じ勘違いをしているようですね。

正方形も、ひし形も、対角線は直角に交わります。
つまり、あすみさんの説明はひし形と正方形、どちらにも当てはまることになります。
違うのは、正方形はすべての角が等しく、ひし形はそうではないという点です。

  • 円は1点からの距離が等しい点の集まり
  • ひし形の定義

続いてばんびさんが説明する番です。

【図形2】
直線の辺がない
中心から、辺?までが全部どこからでも同じ長さ

正解は円です。

円は、数学では「1点からの距離が等しい点の集まり」と説明します。
ばんびさん、かなりいいセンいってましたね。


このように、数学で使う用語は、だれもが同じように言葉の意味を理解できるように、「定義」が決められています。

そして、ひし形は「四角形の中で4辺の長さが等しいもの」と定義されています。

  • 定義はコミュニケーションツール
  • 次回もお楽しみに!

「定義」は、世界中どこでも使えるコミュニケーションツールです。

たとえば、
=4という式があれば、x=±2
と出てきます。

ルールを知っていれば世界中どの国の人も、同じ答えを出すことができます。

数学はやればできます!

これから一年間よろしくお願いします。
次回もお楽しみに!

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